【受付アルバイト募集!(鍼灸学生向け)】
鍼灸の学生さんを対象に受付アルバイトを一名募集中です。
一年契約(希望により更新可能)で時給制となります。

https://www.1sshindo.com/blog/zenith12350/


カフェで抹茶ラテを頂きました。
カフェで抹茶ラテを頂きました。

こんにちは、大原です。
前回、前々回、
五臓が弱る「虚労」に対する方剤
大黄䗪虫丸だいおうしゃちゅうがん秦艽鼈甲散じんぎょうべっこうさん
について述べました。

※前回までの記事はこちら↓
【方剤学】大黄䗪虫丸
【方剤学】秦艽鼈甲散 (虚労 その2)

今回も虚労に対する方剤をみていきます。

〜中医臨床のための方剤学より〜
滋陰降火湯(じいんこうかとう)】
(前回の記事の秦艽鼈甲散と同じく)清熱剤の中の、
虚熱を清する「清虚熱剤せいきょねつざい」に分類される。

効能:滋陰降火
組成:炙甘草1.5g、当帰4g、白芍7g、生地黄2.5g、
熟地黄・天門冬・麦門冬・白朮 各3g、
陳皮・黄柏・知母 各2g。
生姜・大棗と水煎服用する。
主治:肺腎陰虚・火旺による乾咳・少痰・盗汗・潮熱など

方意:
①天門冬・麦門冬・生地黄→滋補肺腎
②知母・黄柏→清熱瀉火
→①②により滋陰降火する。
③当帰・白芍・熟地黄→補血養陰
④白朮・炙甘草・大棗・生姜・陳皮→健脾和胃
→③④により生化の源を補充することにより滋陰を補佐する。
(火旺が甚だしいときは辛燥の陳皮・生姜は除くべきである。)

さて、この滋陰降火湯は、
「万病回春」という古文書が出典のようです。

「万病回春解説」によると、
滋陰降火湯は
陰虚火動、発熱、咳嗽、吐痰、喘急、盗汗、口乾くを治す。
この方と六味地黄丸と、合い兼ねて之を服す。
大いに虚労を補い、神効あり。
とあります。
(〜万病回春 巻之四 「虚労」より〜)

「虚労」という言葉が
ここで用いられていますが、
この滋陰降火湯の解説の前に
虚労についての解説がありますので
みてみましょう。

脈 骨蒸、労熱、脈数にして虚、熱して濇小なるは、
必ず其のとす。
汗を加え、嗽を加うるは、薬を除くべきにあらず。

虚怯の症は、皆、元気不足による。
心腎くることあり、あるいは気血を労傷し、
あるいは酒色過度にして、
ようやく真陰虧損きそんするに至り、相火そうかしたがっておうす。
火、旺するときは真陰銷爍しょうしゃくして嗽をなし、
喘をなし、痰をなし、熱をなし、吐血、衂血じくけつををなし、盗汗、遺精をなし、
上盛んに下虚するをなす。・・・(以下続く)
(〜万病回春 巻之四 「虚労」の冒頭より〜)

この記述からすると
元気や真陰という、
生命の原動力ともいわれる陰性の気が
損なわれてしまうことが
虚労の原因である
とあります。

そのため、
補陰剤である「六味地黄丸」を
兼ねて(一緒に)服すと
神効がある(よく効く)ということなのですね。


参考文献:
『万病回春解説』 創元社
『入門 金匱要略』 南山堂
『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社
『中医臨床のための中薬学』 東洋学術出版社
『鍼灸医学事典』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here