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小堀です。
今回は、実証の瘀血証に対する代表薬とされる、
抵当湯について学んで参ります。

「抵」は、ぶつかって張り合うことや、
突き当たるという意味があり、
「当」は、相当するという意味がある。
強力に瘀血を一掃するものとして、抵当と名付けられた。

太陽経の邪が下焦に達し、
少腹の瘀血と結ばれた畜血証に用いる。
桃核承気湯証と機序は同じであるが、
抵当湯証は桃核承気湯に比べて
熱邪よりも瘀血が優勢とされる。
攻下作用も強力になるので慎重に使用する。

下記、各出典を見ていきます。

抵當湯・抵當丸 / 腹證奇覧より
抵當湯・抵當丸 / 腹證奇覧より

腹証奇覧
(本多先生の記事▶︎抵當湯・抵當丸

図の如く、腹中軟満にして物あり。
雞子殻の如きもの、水中に浮びてあるが如く、
之を按ずれば則ち沈み、手を去るに随って浮ぶ。
或は之を按じて傍へ去り、その数は或は一・二、或は五・六。
其の人の面顔唇手足、共に青白色に透き通る如くして沢なし。
或は黄色なる容は労瘵の如し。
小便不利、大便は硬きも反って易し。
其の色黒く、或は塊物の臍下臍傍、或は陰門、或は陰茎辺、
或は小腹、或は腹中来去遊走のもの、
又、本文の如く腹は満せざるに其の人「我は満す」と言う者に用う。


傷寒論
弁太陽病脈証并治(中)百二十四章
(為沢先生の記事▶︎弁太陽病脈証并治(中)百二十四章
太陽病六七日、表證仍火在、脉微而沈、反下結胸、
其人發狂者、以熱在下焦、少腹當鞭滿、小便自利者、下血乃愈。
所以然者、以太陽随経、瘀熱在裏故也。抵當湯主之。

弁太陽病脈証并治(中)百二十五章
(為沢先生の記事▶︎傷寒論: 弁太陽病脈証并治(中)百二十五章・百二十六章
太陽病、身黄、脉沈結、少腹鞭、小便不利者、爲無血也。
小便自利、其人如狂者、血證諦也。抵當湯主之。

弁太陽病脈証并治(中)百二十六章
傷寒有熱、少腹滿、應小便不利、今反利者、
爲有血也、當下之、不可余藥、宜抵當丸。

弁陽明病脈証并治 二百三十七章
(為沢先生の記事▶︎弁陽明病脈証并治 二百三十七章
陽明證、其人喜志者、必有蓄血。
所以然者、本有久瘀血、故令喜忘、屎雖鞕、
大便反易、其色必黑、宜抵當湯下之。

弁陽明病脈証并治 二百五十七章
(為沢先生の記事▶︎弁陽明病脈証并治 二百五十七章
病人無表裏證、發熱七八日、
雖脉浮數者、可下之、假令已下、脉數不解、
合熱則消穀善飢、至六七日、不大便者、有瘀血、宜抵當湯。


金匱要略
婦人雜病脉證并治第二十二
婦人經水不利下。抵當湯主之。

応用として、
更年期障害・月経異常・子宮筋腫など婦人病や
健忘・精神障害にも用いられる。


参考文献:
『腹證奇覧』医道の日本社
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

小堀

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