こんにちは北野です。
今回は要穴の続きで郄穴と募穴に
ついて書いていきたいと思います。

《3》十六郄穴

とは、
隙間の意味があり、
骨と筋肉とのすきまを意味し、
また閉じる、しりぞけるという意味もある。
このことから郄穴は、
骨や筋肉の隙間にあり、しりぞける、
つまり「元の状態に戻す」や
「すみやかに邪をしりぞける」
といった力を持つといわれ、
急性症状の反応点、診断点、治療点とされている。
郄穴は正経十二経脈のほか、
奇経八脈のうち陰蹻脈、陽蹻脈、
陰維脈、陽維脈にも一つずつあるので
合わせると十六穴になる。
古典では、経脈が深く走る部位に郄穴を配置する。 

【部位】

手や足の肘、膝関節の近くに分布することが多い。

手太陰肺経:    孔最
手厥陰心包経: 郄門
手少陰心経:    陰郄
手陽明大腸経: 温溜
手少陽三焦経: 会宗
手太陽小腸経: 養老

足太陰脾経:    地機
足厥陰肝経:    中都
足少陰腎経:    水泉
足陽明胃経:    梁丘
足少陽胆経:    外丘
足太陽膀胱経: 金門

陰蹻脈:交信
陽蹻脈:跗陽
陰維脈:築賓
陽維脈:陽交

【臨床応用】

①急性の病症

②疼痛の病症

③陰経の郄穴は出血の病症を治療できる。

④陽経の郄穴は疼痛や筋肉の腫脹に用いられる。

⑤急性疾患では、圧痛点がよく診られ切経診断に役立つ。

《4》募穴

とは
「集まる」、「集結」するの意味で
臓腑の気が多く集まるところで、
すべて陰の部(胸腹部)にある。
募穴は臓腑にそれぞれ一つずつあるが、
必ずしも同名の臓腑の経脈上にあるのではなく、
任脈などに存在するものもある。

【部位】

任脈上や胸腹部に存在する。

手太陰肺経:   中府
手厥陰心包経:膻中
手少陰心経:   巨闕
手陽明大腸経:天枢
手少陽三焦経:石門
手太陽小腸経:関元

足太陰脾経: 章門
足厥陰肝経: 期門
足少陰腎経: 京門
足陽明胃経: 中脘
足少陽胆経: 日月
足太陽膀胱経:中極

【臨床応用】

①病邪が臓腑を侵したら、
募穴に異常な反応が診られる事が多く
診察点として用いられる。

②配穴法では陽の病(腑の病症)によく応用する。
兪募配穴法は古典鍼灸処方の一つである。

以上、郄穴と募穴について書かせて頂きました。

北野


参考文献:

『経絡経穴概論』 医道の日本社
『経穴マップ』  医歯薬出版株式会社

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