下野です。

今回の記事に出てくる生薬ですが、
森野藤助さんが開いた
森野旧薬園が奈良県の宇陀郡にあるようで、
そこには約250種類の薬草を
見ることができるようです。
奈良県の宇陀郡なので、
大阪からは少し遠いですが、
勉強の為に一度訪れようと思います。

では『薬性の歌』に参ります。


【原文】
薄荷味辛、最清頭目、祛風化痰、骨蒸宜服。
防風甘温、能除頭暈、骨節痺痛、諸風口噤。
去蘆。
荊芥味辛、能清頭目、表汗祛風、治瘡消瘀。
細辛辛温、少陰頭痛、利竅通関、風湿皆用。
去上葉。
羗活微温、祛風除湿、身痛頭疼、舒筋活骨。

<第八に続く>


【解説】
薄荷の味は辛。
頭痛や目の充血を清し、
風を去り、痰を化す。
骨蒸を治すのに用いる。

防風は甘、温。
頭暈に効果があり、
関節の痛みや痺れ、口が開かないという
症状に用いる。
盧は去るように。

荊芥の味は辛。
頭痛や目の充血を治し、
発汗させて外感風邪を去り、
消瘡、散瘀に働く。

細辛は辛温。
通竅、開関の効果があり、
風、湿の邪に用いる。
上葉を去る。

羗活は微温。
風や湿邪による関節痛、頭痛に用い、
筋の攣縮を緩解させる。

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◉薄荷

シソ科のハッカ。
性味:辛・涼
帰経:肺・肝
※小堀さんによる解説はこちら→【生薬】薄荷

薄荷で有名な北海道北見市は、
最盛期には全世界の7割を
生産しており、現在でも名産品です。

◉防風

セリ科のボウフウの根および根茎。
帰経:辛・甘・微温
性味:肝・脾・膀胱
※本多先生による解説はこちら→防風茯苓湯/腹證奇覧

中国から奈良県に伝わり、
森野藤助によって栽培されました。
その為、トウスケボウフウと呼ばれるようです。

◉荊芥

シソ科のケイガイの花穂をつけた茎枝、
または花穂。
性味:辛・温
帰経:肺・肝
効能:
①祛風解表
・外感風邪による悪寒、発熱、頭痛に。
方剤例→荊防敗毒散・荊防湯
②宣毒透疹
・麻疹で邪が発散されない、初期の皮膚化膿症などに。
方剤例→宣毒発表湯・竹葉柳蒡湯
③散瘀止血
・吐血、鼻血、血便、血尿などに。
方剤例→槐花散・生蒲黄湯
④祛風止痙
・産後の外感邪による項背部の緊張などに。

◉細辛

細辛
細辛

ウマノスズクサ科のケイリンサイシン、
または、ウスバサイシンの根をつけた全草
性味:辛・温
帰経:肺・腎
※本多先生による解説はこちら→桂姜棗草黄辛附湯/腹證奇覧

見た目通り、
根が細く、口にするとピリッとした
刺激があることから「細辛」と呼ばれる。

◉羗活

中国産は、セリ科の多年草キョウカツ、
または寛葉羗活の根と根茎。
日本産はウコギ科のウドの根。
性味:辛・苦・温
帰経:膀胱・肝・腎
効能:
①散寒燥湿解表
・風寒湿邪の外感による悪寒、発熱、関節の痛みに。
方剤例→九味羗活湯
②祛風湿、止痛
・風寒湿痺の関節痛に。
方剤例→羗活勝湿湯


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野


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