下野です。

先日、地元のとある寺院へ行って来ました。
なぜそこに行ったのかと言いますと、
『万病回春』の著者 龔延賢の弟子で、
日本にこの書籍をひろめた
戴曼公と関係があるようでしたので、
一度 見ておこうと思いました。

では『万病回春』の記事に参ります。


【原文】
咽者、嚥物通水穀、接三脘以通胃也。
喉者、候気有九節、通五臓以系肺也。

声音、根出於腎也。
善嚔者、肺気也。
善噫者、胃気也。
呵欠者、胃也。

髪者、血之余也。
爪者、筋之余也。
神者、気之余也。

目得血、而能視也。
耳得血、而能聴也。
手得血、而能摂也。
掌得血、而能握也。
足得血、而能歩也。
臓得血、而能液也。
腑得血、而能気也。

魂者、神明之補弼也。
魄者、積気之匡佐也。
栄者、水穀之精気也。
衛者、水穀之悍気也。

直行者、謂之経也。
旁行者、謂之絡也。

<第六に続く>


【現代語訳・解説】
咽は物を嚥み、水穀を通し、
三脘(上脘・中脘・下脘)に接して胃に通じる。

喉は天気を主り、気管があって、
肺に結び五臓に通じる。
声音は腎に根ざして出る。
よくクシャミをする者は肺気であり、
よく噫する者は脾気であり、
あくびする者は胃である。

髪は血の余であり、
爪は筋の余であり、
神は気の余である。

目は血によって滋養されて能く見ることができ、
耳は血によって滋養されて能く聴くことができ、
手は血によって滋養されて能く物を取ることができ、
掌は血によって滋養されて能く握ることができ、
足は血によって滋養されて能く歩くことができ、
五臓は血によって滋養されて能くうるおい、
六腑は血によって滋養されて能く気がある。

魂は神明を補佐し、
魄は積気をささえ助ける。
栄気は水穀が化成した精気であり、
衛きは水穀が化成した悍気である。

経脈は縦に流れ、絡脈は横に流れる。

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ここでも今まで同様に
中医学の生理観が書かれている。

第四と同じく臓腑の生理機能と、
生命活動を維持する気本物質であり
生体の中心となる気・血・精・神が
多く書かれているのがわかる。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『基礎中医学』 燎原書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経素問 上巻』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経素問 中巻』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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