山中にて
山中にて

こんにちは、小堀です。
前回のモクサアフリカのご紹介の記事で、
なぜ足三里が結核に効果をあげたのかについて
勉強したことを書いていきます。
前回の記事 ⇒アフリカで日本式お灸

アフリカの結核感染のベースとなる原因として、AIDSがあります。
AIDSを中医学でみると次のようになります。

◎血熱型
温病学の衛気営血弁証の「営血熱症」に相当する。
営は血の一部であり、ともに脈中を循環している。
そのため互いに影響しあい、営分の熱邪が転出せず留まると、
必ず血分に陥入し、また同時に発症することもある。
血分病は病位がもっとも深く、温病の末期にみられ重篤である。

AIDSの症状の特徴としては発熱があり、 血分に熱邪があるため、
初期の高熱が治まったあとも微熱が長く続く。
血熱が絡脈に波及すると不鮮明な斑点が生じる。
心は血を主るので、熱邪が心神に波及すれば、譫語・痙攣などをおこす。

◎湿熱型
温病学の湿熱証に類似する。
湿邪と熱邪が一緒に侵入し、どちらも粘滞性が強く、
除去が難しく長期化する。
熱邪による発熱、湿邪による下痢・軟便・倦怠感・倦怠感も顕著。

◎気虚型
推動作用の低下により身体がだるく疲れやすい。
脾気虚により、肌肉を養うことができずに痩せる。
衛気の低下により抵抗力が低下するため感染症にかかりやすい。
脾の運湿機能の低下による下痢。 脾気虚による食欲不振。

AIDSはすぐに発症せず、潜伏期の後に発症することや、
病程が長く、症状が重く変化に富むという特徴から、
伏邪温病と考えられる。

発病する要因として、
「飢餓・飽食・過労・悩み・怒りがあって初めて、
邪気が溢れ出してくるのである」(温疫論)
といわれており、あらゆる要因から正気を損傷することで
発病へと発展する。

また、後天性免疫不全症候群といわれ、日和見感染しやすくなるため、
初期からの扶正法が予後に大きく影響する。

つづく


参考文献:
『臨床医学各論』 医歯薬出版株式会社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『いかに弁証論治するか』東洋学術出版社
『中医病因病機学』東洋学術出版社
『温病学入門』東洋学術出版社
『グローバル・エイズ』明石書店

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

小堀

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