下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


 

空

こんにちは、冠木です。
最近は大分寒くなってきました。
だんだん布団から出ることが億劫になってきます…
ただ、朝一番の冷えきった空気も好きだったりします(笑)


 

『疾病認識の総則』

問曰、上工治未病何也。
師曰、未治未病者、見肝之病、知肝伝脾、当先実脾、四季脾旺不受邪、即勿補之。
中工不暁相伝、見肝之病、不解実脾、惟治肝也。
夫肝之病、補用酸、助用焦苦、益用甘味之薬調之(酸入肝、焦苦入心、甘入脾。脾能傷腎、腎気微弱。則水不行、水不行、則心火気盛
則傷肺、肺被傷、則金気不行、金不行、則肝気盛、則肝自癒。此治肝補脾之要妙也。)
肝虚則用此法、実則不在用之。
経曰、「虚虚実実、補不足、損有余」、是其義也。余蔵準此。

問うて曰く、名医は未病を治すとは何ぞや。
師の曰く、夫れ未病を治す者は、肝の病を見て、肝脾に伝うるを知り、
当に先ず脾を実すべし。
四季脾旺ずれば邪を受けず、則ち之を補うこと勿れ。
中工は相伝うるを暁らず、肝の病を見て、脾を実することを解せず、惟肝を治すなり。
夫れ肝の病は、補うに酸を用い、助くるに焦苦を用い、
益すに甘味の薬を用いて之を調う。
酸は肝に入り、焦苦は心に入り、甘は脾に入る。
脾は能く腎を傷り腎気微弱なれば、則ち金気行らず。
水行らば、則ち心火の気盛んとなり、則ち肺を傷る。
肺傷らるば、則ち金気行らず、金気行らぜれば、則ち肝気盛んとなり、則ち肝自ら愈ゆ。
此れ肝を治するに脾を補う要妙なり。
肝虚すれば則ち此の法を用い、実すれば則ち之を用いゆるに在らず。
経に曰く、「虚を虚とし、実を実とし、不足を補い、有余を損す」と、是れ其の義なり。
余蔵此に準ず。

夫人稟五常、因風気而生長、風気雖能生万物、
亦能害万物、如水能浮舟、亦能覆舟。
若五臓元真通暢。
人即安和、客気邪風、中人多死、千船疢難、不越三条。
一者、経絡受邪、入臓腑、為内所因也。
二者、四肢九竅、血脈相伝、壅寒不通、為外皮膚所中也。
三者、房室、金刃、虫獣所傷。
以此詳之、病由都尽。
若人能養慎、不令邪風干忤経絡。
適中経絡、未流伝腑臓、即医治之。
四肢才覚重滞、即導引、吐納、針尖、膏摩、勿令九竅閉塞。
更能無犯王法禽獣災傷、房室勿令竭之、服食節其冷熱苦酸辛甘、不遺形体有衰、病則無由入其腠理。
腠者、是三焦通会元真之処、為血気所注。
理者、是皮膚臓腑之文理也。

夫れ人は五常を稟け、風気に因って生長す。
風気能く万物を生ずと雖も、亦能く万物を害す。
水能く舟を浮かぶとも、亦能く舟を覆すが如し。
若し五臓の元真通暢なれば、人即ち安和なり。
客気邪風、人に中れば多く死す。
千船の疢難、三条を超えず。
一は、経絡邪を受け、臓腑に入る。
内を所因となすなり。
二は、四肢九竅、血脈に相伝え、壅塞して通ぜず、外皮膚に中る所となすなり。
三は、房室、金刃、虫獣の傷る所なり。
此を以て之を詳にすれば、病由都て尽く。
若し人能く養慎せば、邪風をして経絡に干忤せしめず。
適経絡に中るも、未だ腑臓に流伝せざるに、即ち医之を治せ。
四肢わずかに重滞を覚ゆれば、即ち導引、吐納、針灸、膏摩して、九竅をして閉塞せしむるなかれ、
更に能く王法を犯すことなく、禽獣災傷、房室竭乏せしむるなかれ。
服食は其の冷熱苦酸辛甘を節し、
形体をして衰うることあらしめざれば、病則ちその腠理に入る由なし。
腠は、これ三焦元真を通会せしむる処血気の注ぐ所たり。
理は、これ皮膚臓腑の文理なり。

*『金匱要略解説』東洋学術出版社 より引用

*五常:五行、五臓を指す。
風気:自然界、天時気候などを指す。
客気邪風:不正常な気候が病邪の人体侵襲の因素となることを指す。
疢難:災難、疾病を指す。
導引吐納:導引は按摩、吐納は呼吸調節による治療方法。
膏摩:外用薬を用いて身体の一定部位を摩擦する方法。
文理:即ち紋理。

上記の原文で第1条は予防・第2条は病因を重点にして述べている。
1,疾病の診断を行うには、予見性をもって「未病を治す」方法を用いなくてはならない。
ここでは「肝病伝脾」が挙げられている。
名医は肝病を診た場合に、肝木は脾土を克するということに基づき
肝木が脾土を侵犯して、伝変して脾病をなるかもしれないと考慮するはずである。
2,疾病発生の原因は三方面に分けられ、外邪の人体侵襲も深い浅いの差がある。
①疾病が経絡に侵入して臓腑に伝わり、臓腑病変を引き起こしたものである。
②疾病が皮膚を侵犯し、九竅の血脈が塞がり不通となった「皮膚所中」の病変である。
③房事過多や各種の刀棒や虫獣などの外傷による疾病である。


参考文献:
『金匱要略解説』 東洋学術出版社
『入門 金匱要略』 南山堂

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

冠木

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