今月15日(月・祝)まで、梅田の阪急うめだ本店で
「フェルメール 光の王国展 in OSAKA」が開催中です。
以前、オランダでフェルメールの絵画を観てから好きになり、
今回も観に行こうと思いながらも、なかなか行けないでいます…

開催日時も残りわずか。
出来れば、休みの日にでも観に行こうと思います!

「フェルメール 光の王国展 in OSAKA」関西テレビHP
「フェルメール 光の王国展 in OSAKA」関西テレビHP

では久しぶりの「難経」の記事です。


【原文】
五十六難曰、五蔵積、各有名乎。以何月何日得之。

然。
肝之積名曰肥気、在左脇下、如覆杯、有頭足、久不愈、
令人発咳逆、カイ瘧、連歳不己。以季夏戌己日得之。

何以言之。

肺病伝於肝。肝当伝脾。脾季夏適王。王者不受邪。
肝腹欲還肺、肺不肯受、故留結為積。
故知肥気以季夏戊己日得之。

心之積、名曰伏梁。
起斉上、大如臂、上至心下。
久不愈、令人病煩心。以秋庚辛日得之。

何以言之。

腎病伝心。心当伝肺。肺以秋適王。
王者不受邪。心復欲還腎。
腎不肯受、故留結為積。
故知伏梁以秋庚辛日得之。

脾之積、名曰痞気。
在胃脘、覆大如盤、久不愈、令人四肢不収、
発黄疸、飲食不為肌膚。
以冬壬癸日得之。

何以言之。

肝病伝脾。脾当伝腎。腎以冬適王。
王者不受邪。脾復欲還肝。
肝不肯受、故留結為積。
故知痞気以冬壬癸日得之。

肺之積、名曰息賁。
左右脇下、覆大如杯、久不己、
令人酒淅寒熱、喘咳発肺壅。
以春甲乙日得之。

何以言之。

心病伝肺。肺当伝肝。肝以春適王。
王者不受邪。肺復欲還心。
心不肯受、故留結為積。
故知息賁以春甲乙日得之。

腎之積、名曰賁豚。
発於少腹、上至心下、若豚状、
或上或下無時、久不己、
令人喘逆、骨痿少気。
以夏丙丁日得之。

何以言之。

脾病伝腎。腎当伝心。心以夏適王。
王者不受邪。腎復欲還脾。
脾不肯受、故留結為積。
故知賁豚以夏丙丁日得之。

此五積之要法也。

 


【現代語訳】
五臓の積病は、それぞれ名称があるのか。
また何時に発生するものなのか。

答え。
肝の積病は肥気と言い、左の脇下に現れ、
伏せた杯のようで上下の境目がはっきりとしている。
改善がない場合は、咳嗽、気逆、瘧疾が起こり、
何時までも苦しむようになる。
この病は長夏 戌己の日に発生する。

それはなぜか。

答え。
肺が病み邪を肝に伝え、肝はこれを脾に伝える。
しかし長夏は、脾土の気が旺盛な時期であり、
脾は病邪を受け付けない。
肝は邪を肺に戻そうとするも、肺も邪を受け付けず、
その結果 邪が肝に留結して肝の積となる。
このことから、肥気は長夏の戌己の日に発生するのだという。

心の積病は伏梁と言い、臍の上に起こり、
腕の臂(ひじ)のようで、上は心下にまで達する。
改善がない場合は、心に胸苦しさを感じる症状を
引き起こすようになる。
この病は秋 庚辛の日に発生する。

それはなぜか。

答え。
腎が病み邪を心に伝え、心はこれを肺に伝える。
しかし秋は、肺金の気が旺盛な時期であり、
肺は病邪を受け付けない。
心は邪を腎に戻そうとするも、腎も邪を受け付けず、
その結果 邪が心に留結して心の積となる。
このことから、伏梁は秋の庚辛の日に発生するのだという。

脾の積病は痞気と言い、胃の部位にあり、
大きさは伏せた盤のようである。
改善がない場合は、四肢の運動が不自由になり、
黄疸が出たり、飲食をしても栄養とならず肌肉が痩せていく。
この病は冬 壬癸の日に発生する。

それはなぜか。

答え。
肝が病み邪を脾に伝え、脾はこれを腎に伝える。
しかし冬は、腎水の気が旺盛な時期であり、
腎は病邪を受け付けない。
脾は邪を肝に戻そうとするも、肝も邪を受け付けず、
その結果 邪が脾に留結して脾の積となる。
このことから、痞気は冬の壬癸の日に発生するのだという。

肺の積病は息賁と言い、右の脇下にあり、
大きさは伏せた杯のようである。
改善がない場合は、悪寒発熱し、
喘咳が出て、肺癰になる。
この病は春 甲乙の日に発生する。

それはなぜか。

答え。
心が病み邪を肺に伝え、肺はこれを肝に伝える。
しかし春は、肝木の気が旺盛な時期であり、
肝は病邪を受け付けない。
肺は邪を心に戻そうとするも、心も邪を受け付けず、
その結果 邪が肺に留結して肺の積となる。
このことから、息賁は春の甲乙の日に発生するのだという。

腎の積病は賁豚と言い、下腹に起こり、
上がって心下に達し、奔走する豚のように
上がったり下がったり、時間に関係なく動く。
改善がない場合は、喘息や咳嗽が起こり、
骨は萎えて弱り、呼吸が弱くなる。
この病は夏 丙丁の日に発生する。

それはなぜか。

答え。
脾が病み邪を腎に伝え、腎はこれを心に伝える。
しかし夏は、心火の気が旺盛な時期であり、
心は病邪を受け付けない。
腎は邪を脾に戻そうとするも、脾も邪を受け付けず、
その結果 邪が腎に留結して腎の積となる。
このことから、賁豚は夏の丙丁の日に発生するのだという。

これが五積の発病メカニズムである。


【解説】
ここでは、五臓積病の症状と
それが引き起こす各種病変について述べている。
また五行論の相剋関係による病の伝変理論を基に、
五臓の積病が形成される病理を説明している。
ただ、勘違いしてはいけないのが、
ここで説明しているものは五行の法則を説明したもので、
実際には積病の発生が伝変だけによって起こるというわけではない。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『[標準]中医内科学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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