暑い日が続いておりますが、

写真の日の京都は まるで真夏かと思うほどの暑さでした。

これでまだ6月・・・
7月8月は一体どうなるのでしょうか?

京都の結婚式場にて
京都の結婚式場にて

では『難経』の記事に参ります。


【原文】
「第五十四難」
五十四難曰、蔵病難治、府病易治、何謂也。

然。
蔵病所以難治者、伝其所勝也。
府病易治者、伝其子也。
与七伝間蔵同法也。

「第五十五難」
五十五難曰、病有積、有聚、何以別之。

然。
積者、陰気也、聚者、陽気也。
故陰沈而伏、陽浮而動。
気之所積名曰積、気之所聚名曰聚。
故積者五蔵所生、聚者六府所成也。
積者、陰気也、其始発有常処、其痛不離其部、
上下有所終始、左右有所窮処。
聚者、陽気也、其始発無根本、上下無所留止、
其痛無常処、謂之聚。
故以是別知積聚也。


【現代語訳】
「第五十四難」
臟の病は治し難く、六腑の病は治し易いとあるが、
これはどういったことなのか。

答え。
臟の病が治し難いのは、その勝つ所へ伝変する関係であり、
反対に腑の病が治し易いのは、その子へ伝変する関係だからである。
これは次伝、間臟の意味と同じである。

「第五十五難」
病に積と聚があるが、どうやって区別するのか。

答え。
積は陰に属し、聚は陽に属す。
陰のものは沈んで伏し、陽のものは浮かんで動く。
有形の気が積もり留まって出来たものが積であり、
無形の気が合わさり聚まって出来たものが聚である。
故に積は五臓が生み出し、聚は六腑が生み出したのである。
積は陰に属し、決まった場所に発生し、痛みはその臓から離れず
上下左右の境が明確である。
反対に、聚は陽に属し、発生場所は決まっておらず、
痛む場所も決まっていない。
これらのことから、積と聚を鑑別することが出来るのである。


【解説】
「第五十四難」
ここでは、臓と腑の治療の難易を論じている。

「臓の病は難治」「腑の病は易治」の考え方は、
第五十三難の次伝・間臓伝の予後と一致しており、
その為に「与七伝間蔵同法也。」と述べられている。

ただし勘違いしてはいけないのが、
「臓の病は難治」「腑の病は易治」が絶対だと言うことではない
東洋学術出版社『難経解説』には滑伯仁の
「これ(「臓の病は難治」「腑の病は易治」)は特にその一面を
あげていっているだけのことで、もし臓病がその生む所へ伝われば治しやすいし、
腑病もその勝つ所へ伝われば治しがたい。」
という言葉が述べられている。
つまり、物事を機械的に理解してはいけないということである。

「第五十五難」
ここでは、積と聚の症状と鑑別方法を論じている。

そもそも積と聚とは、
「腹内に塊が生じ、痛みもしくは脹りを自覚する病証である。」
東洋学術出版社『[標準]中医内科学』)とされ、
双方の病因・病機には関連性があり、情志の失調・飲食不摂生・
寒、湿邪の感受・久病による正気の弱りによることが多い。

[弁証論治]
東洋学術出版社『[標準]中医内科学』によると、
積聚の治療に関しては、初期・中期・後期に分けて治療をする
という原則があり、以下のように治療をすすめる。
初期:病邪が盛んになる頃であるが、邪気に比べ正気の方が強く
治法は攻法を施す。

中期:発病から時間が経ち、邪気が深く入り、それに対して正気に弱りが
みられる頃なので、攻法と補法を同時に施すべきである。

後期:正気は虚し、邪が盛の状態である。
治法は補法を施すべきである。

上記が簡単ではあるが、積・聚に関しての説明になる。

この五十五難では積・聚の鑑別を提示し、
その要点は本文(原文・現代語訳参照)に書かれている
症状の違いだとしている。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『[標準]中医内科学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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