仰げば

人にはきっと主君に仕えるという喜びがある。
僕にもある。
そこは今も昔の人も変わらないと思う。
主君は僕らの世界では、師と言っても良い。
自分の主君とおける人物に出会えるのは人生の大いなる財産。
どんな職種にあろうと、主君がいないのは一つの不幸であると僕は思っている。
そういった古き良き関係性が存在する中、
自分のスキルアップのため、技術向上のために、
損得勘定でもってして器用に師を設定する者が増えてきた。
そういうのは本当に残念である。
同時にそういう者の、自分本位な技術には僕はまったく興味が無い。
今の時代においては、
僕らの世界でも、
やれ、就職、就職。年収、福利厚生などといった言葉も
飛び交うようになってきましたが、
鍼師においては主君無き、学びは存在しないと思っている。
主君はなにも形がなくたっていい。
書物の中の名医であってもいい。
自己肯定のうえの単純なスキル獲得行程においては
大事なものは得ることが出来ないと信じている。


さて、
久方ぶりに北辰会の本部会に顔を出した。

(一生懸命、会の運営にたずさわっておられる先生がいる中、
僕みたいな不真面目な輩は、そこを語る資格などないのであるが。)
日曜日に酒を交わした諸氏には、
各々に己の主君が存在し、
術者としての自己があって、臨床といった現場が存在する。
その葛藤、車輪の一部を垣間見て、
交流することは、また、大いなる喜びがあった。
古き良き時代の徒弟制度がいつまでも残って欲しい。
人一人、
怒り、悲しみ、苦しみ、たまに喜び、
ごっちゃごっちゃにして
鋼を叩くように、コンコンコンコン。
そして術者なる者は出来上がる。
そこに、果てしない興味がある。さて、話した分、
それ相応の、
沈黙を抱くとしましょう。

9 コメント

  1. 忍者玄一先生

    とっても、楽しかったです。

    先生は、ホントおもしろい!(゜o゜)

    どうもありがとう☆

    また、行きましょうね~♪♪(゜レ゜)

    • 僕のは忍ぶ鍼と。
      有先生の鍼はどんなでしょうか。
      5年、10年、いやいや
      30年、50年と見届けたいです☆
      そういった人生の楽しみも出来ました。ありがたい。
      ふふふ。

  2. いつもながら表現がかっこいいですね〜(^∇^)男性人が惚れ込むのも理解できます。沈黙の後がワクワクしちゃいます。またそのうちに。

    • これは山本先生にも書きましたが、
      僕の中で表に出すべきではない、伏していた言葉のいくつかがこぼれました。
      きっとみんなの包容力のおかげだと思っています。
      理解されないならばいっそ沈黙の中にあろうと決めていたもの達なので。
      彼らも喜んでます☆
      ありがとうございます。

    • 追伸、
      男性にモテて、
      女性にモテないのは僕の人生のさだめのようです(^_^;
      野郎どもばかりじゃあねえ(笑)

  3. 少なくても私は好きです。あ、でも私半分以上男みたいだからね〜。定めだね。諦めよっか(^∇^)

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