どうも、新川です。

箕面のせせらぎ
箕面のせせらぎ

梅雨も明け、暑さが厳しくなっております。
家にいても暑いだけなので、
箕面の滝へ涼みに行きました。

阪急箕面駅から滝までは
約4kmほどのハイキングロードになっておりますが、
小川のせせらぎが心地良いので、
リズムよく歩けます。

道中、横目で木々の緑の奥深さを見ておりますと、
少し引き込まれそうになりました。

さて今回は、
痹論篇についてです。


今回は、痹論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【痹論篇 四十三】

黄帝が問う。
「痺病はどのようにして形成されるか。」
岐伯が答える。
風、寒、湿の三気が錯雑して侵入し、混じり合って痺病を形成します。

その中で
風気が強いものを※1行痺とよび、
寒気の強いものを※2痛痺とよび、
湿気の強いものを※3著痺とよびます。」

※1行痺
→「行」は遊走して一定の所に留まらないという意味。
風痺・周痺・走注とも呼ばれる。
風邪が中心となり、寒邪・湿邪を伴って人体に侵入し、
筋肉や関節の気血を阻害するためにおこる。
「風論篇」では「風は善く行りて数しば変ず」といっており、
風気の勝ったものは行痺となる。
風邪は移動しやすく変化が早いことが特徴なので、
発症部位は常に移動する。
舌質淡、舌苔薄白、脈浮など。

※2痛痺
→寒邪が中心となり、風邪・湿邪を伴って人体に侵入し、
筋肉や関節の気血を阻害するためにおこる。
別名、寒痺。
寒邪が中心のため、
気血の閉阻の程度がひどく、そのため痛みも激しい。
舌質淡、舌苔薄白、脈弦緊など。
張景岳 の説
「陰寒の気が肌肉筋骨の間に宿り、
凝結して散らず、陽気がめぐらないので痛くてたまらない。」
また「寒えれば血が凝り滞り、そのため脈が不通となり、不通となれば痛む。」

※3著痺
→湿邪が中心となり、風邪・寒邪を伴って人体に侵入し、
筋肉や関節の気血を阻害するためにおこる。
湿邪が中心であり、湿は粘帯という性質をもつため、
肢体関節の重だるい痛み、重帯感が現れる。
張景岳の説
「著痺は肢体が重くて動かしにくく、あるいは痛み、あるいはしびれる。
湿は土から化し、病は多く肌肉に発する。」

黄帝がいう。
「痺病はまた五種に分けられるが、それは何故か。」
岐伯がいう。
「冬に病を得ると
骨痺(主要症状:骨や関節の疼痛・身体が重い・知覚麻痺・四肢がだるくて動かしにくい)
となります。
春に病を得ると
筋痺(主要症状:筋腱の拘急攣緊・関節疼痛・関節を伸ばしにくい・歩けない)
になります。
夏に病を得ると
脈痺(主要症状:皮膚の灼熱感や疼痛・皮膚の瘀斑・不規則な発熱)
になります。
夏の土用に病を得ると
肌痺(主要症状:筋肉の疼痛・知覚麻痺・四肢衰弱無力・身体がだるい・汗が出る)
になります。
秋に病を得ると
皮痺(主要症状:皮膚感覚の麻痺・斑疹・冷感・皮膚の中を虫が這っている感じ)
になります。」

黄帝がいう。
「痺病の病邪はまた五蔵六府にも宿ることがあるが、これはどうしてか。」
岐伯がいう。
「五蔵と五体とは内外で相合しています。
病邪が久しく体表に留まって去らない場合には、
病邪はその相合する内蔵に侵入します。
そこで
骨痺が治らないで重ねて邪気を受けると、腎に宿ります。
筋痺が治らないで重ねて邪気を受けると、肝に宿ります。
脈痺が治らないで重ねて邪気を受けると、心に宿ります。
肌痺が治らないで重ねて邪気を受けると、脾に宿ります。
皮痺が治らないで重ねて邪気を受けると、肺に宿ります。
このように、各種の痺病はそれぞれの季節に、
風寒湿の三気を重ねて感受することによって形成されます。」

「すべて痺病が五蔵に侵入すると、
それぞれ異なった症状を呈します。
●肺痺の症状は、煩悶して胸がいっぱいになり、
呼吸がぜいぜいして嘔きます。
●心痺の症状は、血脈が通らなくなり、胸苦しくて心下部に鼓動を感じ、
暴気が衝き上げてきてぜいぜいし、のどが渇き、げっぷがでます。
逆気が心につけ入ると恐れの感情が発生します。
●肝脾の症状は、夜眠ると驚きやすく、よく水を飲んで小便の回数が多く、
痛みは上から下腹に引きつり、腹部は膨満して妊娠しているような形状になります。
●腎痺の症状は、腹部が脹満しやすく、骨が弱くなって歩けなくなり、
動くときに尻が地に着き、うずくまって身体を伸ばすことができないで、
脊柱が頭の高さになってしまいます。
●脾痺の症状は、四肢の倦怠無力感、咳嗽、唾液の嘔吐などで、
ひどい場合には胸部がつまります。
●腸痺の症状はどのが渇いてたびたび水を飲むのに小便がよく出ないで、
胃腸の中で陽気と邪気が争って腹鳴が起こり、
時には不消化便を排出します。
●膀胱痺の症状は、下腹の膀胱部を手で押さえると、
熱湯をそそがれたように熱く感じて痛み、
小便は渋って気持ちよく出ないで、上部では鼻水が出ます。」


黄帝問曰、痹之安生。
岐伯対曰、風寒湿三気雜至、合而為痺也。其風気勝者為行痺。寒気勝者為痛痺。湿気勝者為著痺也。
帝曰、其有五者何也。
岐伯曰、以冬遇此者為骨痺。以春遇此者為筋痺。以夏遇此者為脈痺。以至陰遇此者為肌痺。以秋遇此者為皮痺。

帝曰、内舍五蔵六府、何気使然。
岐伯曰、五蔵皆有合、病久而不去者、内舍於其合也。
故骨痺不已、復感於邪、内舍於腎。
筋痺不已、復感於邪、内舍於肝。
脈痺不已、復感於邪、内舍於心。
肌痺不已、復感於邪、内舍於脾。
皮痺不已、復感於邪、内舍於肺。
所謂痺者、各以其時、重感於風寒湿之気也。

凡痺之客五蔵者、肺痺者、煩満喘而嘔。
心痺者、脈不通、煩則心下鼓、暴上気而喘、嗌乾善噫、厥気上則恐。
肝痺者、夜臥則驚、多飲数小便、上為引如懷。腎痺者、善脹、尻以代踵、脊以代頭。
脾痺者、四支解墮、発咳嘔汁、上為大塞。
腸痺者、数飲而出不得。中気喘争、時発飱泄。
胞痺者、少腹膀胱按之内痛、若沃以湯、渋於小便、上為清涕。

陰気者、静則神蔵、躁則消亡。飲食自倍、腸胃乃傷。
淫気喘息、痹聚在肺。淫気憂思、痺聚在心。淫気遺溺、痹聚在腎。淫気乏竭、痹聚在肝。
淫気肌絶、痹聚在脾。諸痹不已、亦益内也。其風気勝者、其人易已也。

帝曰、痹、其時有死者、或疼久者、或易已者。其故何也。
岐伯曰、其入蔵者死、其留連筋骨間者疼久、其留皮膚間者易已。
帝曰、其客於六府者、何也。
岐伯曰、此亦其食飲居処、為其病本也。六府亦各有兪。
風寒湿気中其兪、而食飲応之、循兪而入、各舍其府也。
帝曰、以鍼治之奈何。
岐伯曰、五蔵有兪、六府有合。循脈之分、各有所発。各隨其過、則病瘳也。

帝曰、栄衛之気、亦令人痹乎。
岐伯曰、栄者、水穀之精気也。和調於五蔵、灑陳於六府、乃能入於脈也。故循脈上下、貫五蔵、絡六府也。
衛者、水穀之悍気也。其気慓疾滑利、不能入於脈也。
故循皮膚之中、分肉之間、熏於肓膜、散於胸腹。逆其気則病、従其気則愈。不与風寒湿気合。故不為痺。
帝曰、善。

痺、或痛、或不痛。或不仁、或寒、或熱、或燥、或湿。其故何也。
岐伯曰、痛者、寒気多也。有寒故痛也。其不痛不仁者、病久入深、栄衛之行渋、経絡時疏。
故不通、皮膚不営。故為不仁。其寒者、陽気少、陰気多、与病相益。故寒也。
其熱者、陽気多、陰気少、病気勝、陽遭陰。故為痺熱。其多汗而濡者、此其逢湿甚也。
陽気少、陰気盛、両気相感。故汗出而濡也。

帝曰、夫痺之為病、不痛何也。
岐伯曰、痺在於骨則重。在於脈則血凝而不流。在於筋則屈不伸。在於肉則不仁。在於皮則寒。
故具此五者、則不痛也。凡痺之類、逢寒則虫、逢熱則縱。
帝曰、善。


参考文献:
『いかに弁証論治するかー「疾患別」漢方エキス製剤の運用』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

6 コメント

  1. こんにちは。

    箕面の滝には時々行くのですが、いつも不思議な感じがします。
    駅前は車が通り、商店街があり、人が行き交う街なのに、
    少し歩いただけで、うっそうとした山の中にいるのが不思議です。

    駅から箕面の滝までの途中に、景色も楽しめるカフェがあるのですが、
    帰りについつい立ち寄ってしまいます。
    お店の方によると、二方向の景色が楽しめる、一番奥の席がおススメだそうです。

    また、運動がてらマイナスイオンを浴びに、滝まで登りたいと思います。

    • こんにちは。

      あの不思議な感じが、魅力なんでしょうね。
      大切にしていかないといけないものです。

      カフェの情報ありがとうございます。
      街中のカフェもいいですが、
      たまには隠れ家のような場所で
      時間を忘れて過ごすのもいいですね。

      コメントありがとうございます。

      新川

  2. 先生こんばんは♪
    箕面、良いですね。
    最近、山登りしたいなぁと、小さい子どもでも行けるハイキングコースを本などで探しますが、なかなか、「ここ!」と思うところが見つかりません^^;

    箕面はやはり、お猿いますか…?

    • こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      箕面駅から箕面の滝までは舗装もしてあり、
      途中の小川などで一息つきながら行くと、
      小さなお子さまでも楽しく歩けそうです。

      地元の方でしょうか、
      親子で水遊びされている光景をよく見かけました。

      私が行ったときは、
      お猿さんは一匹もおりませんでした。
      どうやら、餌やりを禁止する条例が施行されてから、
      姿を見せなくなったようですね。

      新川

      • そうなんですか。
        ぜひ、一度子どもたちを連れて行ってみたいです。
        かんころもちさんが書かれてるカフェもめっちゃ気になります。

        お猿、いなくてよかった・・・箕面ではないんですが、幼いころ、お猿がたくさんいる自然公園を、アイスをもちながら親から離れて歩いてたら、いつの間にか後ろからでっかいお猿につけられていて、しかもアイスをひったくられたことや、子ザルにお菓子をあげようと渡そうとしたら親猿にひっかかれた記憶や、お猿にかんしてはろくな思い出がありません・・・(T_T)

        • こんにちは。
          コメントありがとうございます。

          紅葉の季節はもちろんですが、
          今の暑い時季に行くのも、
          いいかもしれません。
          是非、遊びに行ってみてください。

          お猿さんとの思い出拝見させて頂きました(汗)
          滝の所に空気銃を持った監視員の方がいらっしゃいましたが、
          少なくとも私が散策したときは、
          一回もお猿さんを見ることはありませんでしたね。

          新川

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