どうも、新川です。

家の近所にレンゲ畑が広がっておりまして、
今時珍しいなと、横を通る度に薄ピンクのお花を愛でておりました。
ある日いつものようにその場所へ通りかかると、
一切合切、無くなっており、
全くの畑になっておりました。驚きです。
何処へ行ったんや?!です。

後日患者さんから、
『レンゲって畑の肥料にするよね』
たまたまお伺いし、合点がいきました。

元々、肥料用にレンゲを栽培しておったんですね。

さて今回は、
咳論篇についてです。


今回は、咳論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【咳論篇 第三十八】

黄帝が問う。
「肺に病があると人に咳嗽を起こさせるのは、どういうわけなのか。」
岐伯が答える。
五蔵六府に病があれば、いずれも人に咳嗽を起こさせます。
単に肺の病だけがそうなのではありません。

黄帝がいう。
「どうかそれぞれの咳の症状を聞かせて頂きたい。」
岐伯がいう。
「皮毛は体表にあって、肺と対応しています。
皮毛が最初に外邪を受けると、邪気は肺に影響します。
さらに冷たい飲食物を取れば、
寒気は胃から肺脈に沿って肺に上行し、
このため肺は寒を受けることになります。
こうして内外の寒邪が結合し、
これが肺に留まれば、肺咳が生ずるのです。
これが肺咳というものです。

五蔵六府の咳に関していえば、
五蔵はそれぞれが主る季節に病邪を受け、
肺が主る季節でなくとも、
各蔵の病邪が肺に伝入して咳を生ずるのです。

人と自然界とは相応していますので、
五蔵の各おのが主る季節に寒邪を感受すると、病気となります。
軽い場合には咳が出、重ければ寒気が体内に入って下痢や腹痛となります。
そこで秋には肺が最初に邪に冒されます。
春には肝が最初に邪に冒されます。
夏には心が最初に邪に冒されます。
太陰の主る長夏には脾が最初に邪に冒されます。
冬には腎が最初に邪に冒されます。」

黄帝がいう。
「どのようにその咳を見分ければよいのか。」
岐伯がいう。
●肺咳の症状
→咳とともに呼吸困難となり、
喘鳴もあり、甚だしいときには喀血することもあります。

●心咳の症状
→咳をすると胸が痛み
咽喉になにかが詰まったような感じがあり、
甚だしいときには咽喉が腫れて閉塞します。

●肝咳の症状
→咳をすると両側の脇の下が痛み
甚だしいときには寝返りもできなくなり、
寝返りをすれば両側の脇の下が脹満します。

●脾咳の症状
→咳をすると右の脇の下が痛み
痛みは隠々として肩背に放散し、
甚だしいときには動くこともできず、
動けば咳は益ます激しくなります

●腎咳の症状
→咳とともに腰背が互いに引きつったように痛み
甚だしいときには痰涎を吐きます。

黄帝が問う。
「六府の咳の症状はどうか。
どのようにして発病するのか。」
岐伯が答える。
「五蔵の咳嗽が長く続けば六府に伝変します。
たとえば、
●脾咳が治らなければ胃に伝変します。
胃咳の症状は、咳とともに嘔吐し、
〔嘔吐が〕激しければ蛔虫を吐くことがあります。

●肝咳が治らなければ胆に伝変します。
胆咳の症状は、咳とともに胆汁を嘔吐します。

●肺咳が治らなければ大腸に伝変します。
大腸咳の症状は、咳とともに便を失禁します。

●心咳が治らなければ小腸に伝変します。
小腸咳の症状は、咳とともに放屁し、上と下から咳とガスとが同時に出ます。

●腎咳が治らなければ膀胱に伝変します。
膀胱咳の症状は、咳とともに遺尿します。

以上の咳が長く治らなければ三焦に伝変します。

●三焦咳の症状は、咳とともに腹満が出現し、
飲食を欲しがらなくなります。

およそ咳というものは、病変がどのような蔵府にあっても、
その邪気はすべて胃に集まり、肺の経脈を介して肺に影響し、痰が増え、顔面を浮腫させ、
咳嗽気逆を生じさせるものです。

黄帝がいう。
「これをどのように治療するのか。」
岐伯がいう。
「五蔵の咳を治療する場合には、その兪穴を取ります。
六府の咳を治療する場合にはその合穴を取ります。
浮腫の場合には、各蔵府の経穴を取って区別して治療します。」
黄帝がいう。
「よくわかった。」


黄帝問曰、肺之令人咳、何也。
岐伯対曰、五蔵六府皆令人咳。非独肺也。
帝曰、願聞其状。
岐伯曰、皮毛者、肺之合也。皮毛先受邪気、邪気以従其合也。
其寒飲食入胃、従肺脈上、至於肺則肺寒、肺寒則外内合邪、因而客之、則為肺咳。
五蔵各以其時受病、非其時、各伝以与之。
人与天地相参。故五蔵各以治時感於寒則受病。
微則為咳、甚則為泄、為痛。
乗秋則肺先受邪、乗春則肝先受之、乗夏則心先受之、乗至陰則脾先受之、乗冬則腎先受之。
帝曰、何以異之。
岐伯曰、肺咳之状、咳而喘息有音。甚則唾血。心咳之状、咳則心痛、喉中介介如梗状、甚則咽腫喉痺。
肝咳之状、咳則両脇下痛、甚則不可以転。転則両胠下満。
脾咳之状、咳則右脇下痛、陰陰引肩背、甚則不可以動。動則咳劇。
腎咳之状、咳則腰背相引而痛、甚則咳涎。

帝曰、六府之咳奈何。安所受病。
岐伯曰、五蔵之久咳、乃移於六府。
脾咳不已、則胃受之。胃咳之状、咳而嘔、嘔甚則長虫出。
肝咳不已、則胆受之。胆咳之状、咳嘔胆汁。
肺咳不已、則大腸受之。大腸咳状、咳而遺失。
心咳不已、則小腸受之。小腸咳状、咳而失気、気与咳倶失。
腎咳不已、則膀胱受之。膀胱咳状、咳而遺溺。
久咳不已、則三焦受之。三焦咳状、咳而腹満、不欲食飲。此皆聚於胃、関於肺、使人多涕唾而面浮腫気逆也。
帝曰、治之奈何。
岐伯曰、治蔵者、治其兪、治府者、治其合、浮腫者、治其経。
帝曰、善。


参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

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