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肺労(はいろう)

『「労」とは、虚労のこと。「肺労」とは、五労の1つであり、多くは肺気の損傷に起因する。
主要症状としては、咳嗽・息切れ・自汗・皮膚のかさつきなどがみられる。
…肺労は、主に2つの原因によって発症する。
1つは、身体の虚弱や大病・慢性病、過度の房事によって、正気を消耗すること、つまり生体の抵抗力が低下することである。
2つ目は、瘵虫に(労虫)の気道感染である。瘵虫が人体を犯すと、主として肺を傷つける。
…肺労は、その進行状況に応じて、陰虚肺労・虚火肺労・気陰傷肺労・陰陽虚肺労などに分類される。』

(中医基本用語辞典/東洋学術出版社 より一部引用)

(白石臨床経験から)
患者の訴え:
風邪をひいた後から胸の辺りにもちゃもちゃした感覚がずっと残っていて、しんどい。
施術後、胸の重たさが取れてスッキリとして楽になった。
呼吸が深くできるようになった。
術者の感覚:
背候診にて観察すると、肺兪穴左右共に虚の反応が出ていた。
他経穴と肺兪穴を組み合わせて施術。
施術後、肺兪穴の反応の軽減と同時にそれまでに感じていた合谷穴の反応も無くなった。
考察:
外邪の侵入を受けて表症を引き起こし、正気を消耗した結果肺労となった。
他経の経穴も使い、他臓も建てながら直接的・間接的に肺へアプローチする事により
肺労の処置とした。


参考資料:『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社

日下/白石

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