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こんにちは、大原です。

『黄帝内経』は
自然と人との関係などが記されていると
以前からブログで書いてまいりましたが、
その内容が直接的な表現で
書かれている箇所があります。
みてみましょう。


『黄帝内経 素問』(生気通天論篇(第3) 冒頭より)

夫自古通天者、生之本、本於陰陽。
(それ、いにしえより天に通ずる者、生の本もて、陰陽にもとづく。)

天地之間、六合之内、其氣九州、九竅、五蔵、十二節、皆通乎天氣。
(天地の間、六合の内、其の気、九州、九竅、五蔵、十二節、皆天氣に通ず。)

其生五、其氣三、数犯此者、則邪氣傷人。
(それ五を生じ、その氣、三なり。しばしばこれを犯す者は、すなわち邪気人を傷る。)

此寿命之本也。
(これ寿命の本なり。)


一行目の意味ですが
人間は自然の陰陽に通じあうものである
と述べられています。
すなわち、人の生命活動と自然環境には
親密に相通じる関係があるということが書かれています。

この「自然の陰陽」とは、
春や夏は気温が高くて
秋や冬は気温が低いという寒暖のことであったり、
昼間は明るく夜は暗いといった明暗のことであったり、
湿気があったり逆に乾燥していたり、
など、様々な意味が含まれていると思います。

ちなみに、
一行目の冒頭、「自古」(昔から)とあります。
これはつまり、
この『素問』が書かれたときを基準にして、
それよりも昔から
このように言われているのです、ということです。

さて、内容に戻りますと
人間は自然界からかけ離れて生活することはできないこと、
人間と自然界との関係は密接なものであることを
ここでは説いています。
この考え方を現代では
天人相応てんじんそうおう」もしくは「天人合一思想」といいます。

もし、
この「天人相応」の法則にいつも反して
生活していると
数犯此者、則邪氣傷人。
(しばしばこれを犯す者は、すなわち邪気人を傷る。)
とあり、すなわち、
自然環境に合った生活をしていないと病氣になる
と書かれています。

ちなみに、原文に「邪気」と書かれていますが、
これは、ここでは
暑さや寒さなどの自然や気候による病の原因
という意味で良いと思います。
(参考記事:東洋医学の「邪」とは?

このような「天人相応」について書かれた記述は
『黄帝内経』の中に多くあります。
もう一つ簡単に紹介しますと
『黄帝内経 霊枢』の中にも
天人相応」について
上記のように直接的な表現で書かれたものがあります。
少し長い記述ですので、
初めと終わりの
太字の部分だけでも注目してみてください。

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以下、『霊枢』邪客篇(71)の
真ん中あたりから抜粋

黄帝問於伯高曰、
願聞人之肢節、以応天地奈何(願わくば聞かん、人の肢節、もって天地に応ずるはいかん。
伯高答曰、
天円地方、人頭円足方以応之、(天はまるく地は方なり、人の頭はまるく足は方にしてもってこれに応ず。)

天有日月、人有両目。(天に日月あり、人に両目あり。)
地有九州、人有九竅。(地に九州あり、人に九竅あり。)
天有風雨、人有喜怒。(天に風雨あり、人に喜怒あり。)
天有雷電、人有音声。(天に雷電あり、人に音声あり。)
天有四時、人有四肢。(天に四時あり、人に四肢あり。)
天有五音、人有五蔵。(天に五音あり、人に五蔵あり。)
天有六律、人有六府。(天に六律あり、人に六府あり。)
天有冬夏、人有寒熱。(天に冬夏あり、人に寒熱あり。)
天有十日、人有手十指。(天に十日あり、人に手の十指あり。)
辰有十二、人有足十指茎垂以応之。しんに冬夏あり、人に足の十指・茎・垂ありてもってこれに応ず。)
女子不足二節、以抱人形。(女子は二節足らざるも、もって人形を抱く。)
天有陰陽、人有夫妻。(天に陰陽あり、人に夫妻あり。)
歳有三百六十五日、人有三百六十五節。(歳に三百六十五日あり、人に三百六十五節あり。)
地有高山、人有肩膝。(地に高山あり、人に肩膝あり。)
地有深谷、人有腋膕。(地に深谷あり、人に腋膕えきかくあり。)
地有十二経水、人有十二経脈。(地に十二経水あり、人に十二経脈あり。)
地有泉脈、人有衛氣。(地に泉脈あり、人に衛氣あり。)
地有草蓂、人有毫毛。(地に草めいあり、人に毫毛あり。)
天有昼夜、人有臥起。(天に昼夜あり、人に臥起あり。)
天有列星、人有牙歯。(天に列星あり、人に牙歯あり。)
地有小山、人有小節。(地に小山あり、人に小節あり。)
地有山石、人有高骨。(地に山石あり、人に高骨あり。)
地有林木、人有募筋。(地に林木あり、人に募筋あり。)
地有聚邑、人有䐃肉。(地に聚邑あり、人に䐃肉あり。)
歳有十二月、人有十二節。(歳に十二月あり、人に十二節あり。)
地有四時不生草、人有無子。(地に四時に草を生やさざるあり、人に子無きあり。)
人与天地相応者也(これ、人と天地と相応ずるものなり。)

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冒頭の太字で、
「人の四肢百節(身体)は、自然とどのように相応じているのか?お聞きしたい」
という問いに対し、
「天には日・月があるが、人には両目があります」
「大地には九州がありますが、人には九竅(9つの穴)があります」
「天には五音がありますが、人には五臓があります」
などなど、
人と天地(自然)とが
どのように相応じているのか、
ここでは
その考えの具体例が述べられています。

続きます。

どんよりとした、降雨の前の空
どんよりとした、降雨の前の空

参考文献
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 東洋学術出版社
CASIO Ex-word XD-N7300

興味があおりでしたら、ぜひ参考文献もご一読ください。

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