Space Debris
Space Debris 出典:マイコミジャーナルより

こんにちは、為沢です。
9月末のNASAの人工衛星「UARS」や
先日に落下したドイツの天文観測衛星「ROSAT」
などのスペースデブリ(宇宙ゴミ)が地球に落下し、
大きな問題になっております。この問題について
JAXAがデブリに関する説明をされました。↓
http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/10/22/spacedebris/
今後もこのようなことは多々起きるのでしょうか?
宇宙開発のため人工衛星を打ち上げるのはいいの
ですが、使用後の事も考えて欲しいものです。

では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)四十二章・四十三章。
四十二章では桂枝湯による外解法について。
四十三章では太陽病を誤下した後に出現する喘の治療法について、それぞれ述べております。


弁太陽病脈証并治(中)四十二章

太陽病、外証未解、脉浮弱者、
当以汗解、宜桂枝湯。方十二。
桂枝去皮 芍藥 生薑各三両、切 甘草二両、炙
大棗十二枚、
右五味、以水七升、煮取三升、去滓、溫服一升。
須臾啜熱稀粥一升、助藥力、取微汗。

和訓:
太陽病、外証未だに解せず、脉浮弱なるものは、
当に汗を以て解すべし。桂枝湯に宜し。方十二。
桂枝皮を去る 芍薬 生薑各三両、切る 甘草二両、炙る 大棗十二枚、擘く
右五味、水七升を以て、煮て三升を取り、滓を去り、
一升を温服す。須臾にして熱稀粥一升を啜り、藥力を助け、微汗を取る。


太陽病、外証未解
「未解」とは既に発汗薬を使用したが、
依然として表証が取り除かれていないことを示している。

脉浮弱者、当以汗解、宜桂枝湯
陽脈の浮、陰脈の弱を示せば中風証にあたるので、
桂枝湯を用いて肌表の気血を助け、
邪を外に追い出すようにすればよい。

方義

桂枝湯 こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈并治(上)十二章・十三章

提要:
桂枝湯による外解法について述べている。

訳:
太陽病に罹り、表証がまだとれず、
脈象が浮弱である場合は、発汗法で表邪を解除せねばならず、
桂枝湯で治療するとよい。処方を記載。第十二法。
桂枝皮を除く 芍薬 生薑各三両、切る 甘草二両、炙る 大棗十二個、裂く
右の五味を、七升の水で、三升にんるまで煮て、滓を除き、一升を温服する。
しばらくして熱い稀粥を一升啜って、薬力を助け、微かに汗ばませる。


四十三章

太陽病、下之微喘者、表未解故也、
桂枝加厚朴杏子湯主之。方十三。
桂枝三兩、去皮 甘草二両、炙 生薑三両、切
芍藥三兩
大棗十二枚、厚朴二両、炙、去皮 杏仁五十枚、去皮尖
右七味、以水七升、微火煮取三升、去滓、溫服一升、覆取微似汗。

 

和訓:
太陽病、之を下し微かに喘するものは、
表未だ解せざるが故なり。
桂枝加厚朴杏仁湯之を主る。方十三。
桂枝三両、皮を去る 甘草二両、炙る 生薑三両、切る
芍薬
三両 大棗
十二枚、擘く 厚朴二両、炙る、皮を去る 杏仁五十枚、皮尖を去る
右七味、水七升を以て、微火にて煮て三升を取り、
滓を去り、一升を温服し、覆いて微かに汗するに似たるを取る。


太陽病、下之微喘者、表未解故也、桂枝加厚朴杏子湯主之
太陽病では発汗法を用いるべきだが、
それに逆らって下法を行えば邪が内陥し様々な変症が起きる。
下法を行った後、「微喘」が起こるのは、
正気にまだ外邪に抵抗する力があって
肌表より追い出そうとしているためである。
故に桂枝湯で解肌を行ない、正気が外に達するのを助け、
さらに厚朴杏子により消脹定喘を行うとよい。桂枝加厚朴杏子湯は桂枝湯に
厚朴と杏仁を加味した処方であり、先に十八章にも出ている。
(こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上)十七章・十八章・十九章
十八章の場合は、元来喘息の持病がある人が太陽中風を罹ったもので、
「急なれば標を治す」という漢方の治療原則に従い、
喘息の治療は置いておいて
まず桂枝湯で急性症状の太陽病を治すことを目標とし、
これに厚朴と杏仁を加えると
本来の喘息にもよく効果が出るという意味で
喘家、作桂枝湯、加厚朴杏子佳。」と表現しており
喘息を根本的に治そうとしているのではない。・提要:
太陽病を誤下した後に出現する喘の治療法について。

訳:
太陽病の患者を下した後に軽微な喘が出現するのは、
表の邪がまだ除かれていないからであり、
桂枝加厚朴杏仁湯で治療する。処方を記載。第十三法。
桂枝三両、皮を除く 甘草二両、炙る 生薑三両、切る
芍薬
三両 大棗十二個、裂く 厚朴二両、炙る、皮を去る 杏仁五十枚、皮尖を去る
右の七味を、七升の水で、三升になるまで微火で煮て、
滓を除き、一升を温服し、被って微かに汗ばませる。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

為沢

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