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12月6日(水) :告知!第6回、鍼灸学生の為の勉強会


(137条)
太陽病、重発汗、而復下之、不大便五六日、舌上燥而渇、日晡所小有潮熱、
従心下至少腹、鞕満而痛、不可近者、大陥胸湯主之。

太陽病で重ねて発汗を行い下し、
大便が5、6日出ず、
舌上が乾燥して渇き、日晡潮熱が少しあって、
心下から少腹にかけて硬く満して痛みがあって
近づくこともできないほどであれば、
前条までの同様に大陥胸湯が主るという内容である。

大陥胸湯証とは、素体として裏水があり、
太陽病にかかってその表邪が誤治などで内陥し、
その熱邪と裏水が結することによるもので、
治法は、その結している熱や水を強く下すというものであった。

さて、本条文では
大便が出ずに乾燥して潮熱しているという内容から、
一見、津液を損傷し
太陽病が陽明病に転化しているようにも見受けられる。
なぜ大陥胸湯を用いるのだろうか?

条文を注意深く読んでみると
口渇ではなく「舌上が乾燥して渇き」
「潮熱は小である」とある。

口渇で大熱であれば胃熱実をあらわすことから
承気湯の証(陽明熱証)となり得る。
本条文の、舌上が乾燥しているというのは
陽明実熱も含まれるのかも知れないが、
口渇とは違った意味合いなのかも知れない。
(「」とは胃燥を表す。
舌診において苔の色は、
全体は白苔であるが、胃熱があることから
中央部は黄苔を示すと思われる。)

そして、潮熱が「小(少ない)」とあるが、
これは、裏に水があることによるものだろう。
また、邪は陽明ではなく
半表半裏(胸脇)にあることを表すという説もある。

やはり、邪の中心は、胸脇にあり、
承気湯類ではなく大陥胸湯を用いるのが良いということである。


参加者:下野、新川、大原、盧

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