下積み修行中の本多のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


今回は(ろう)についてです。
聾とは耳の症状を指します。

耳の症状として主に、耳閉(じへい・耳の詰まり)による
耳鳴じめい・耳鳴り)
耳聾(じろう・聴力の減退)
が臨床上よくみられます。
耳聾の内、軽症ではっきりと聞こえないものを重聴(じゅうちょう)
重症で全く聞こえないものを全聾(ぜんろう)といいます。

耳と腎との関わりは深く、
腎気が旺盛であれば聴覚は正常に機能します。
年齢を重ねるごとに腎気は衰えていき、
老化の一つである聴力の減退がみられます。
(腎気が衰えると必ず聴力の減退がみられるわけではなく個人差があります)

耳鳴と耳聾の発症の機序として
腎の弱り以外にも下記のものが挙げられます。

風熱襲肺
外感の風熱、又は風寒の化熱により
肺が邪を受けることにより起こります。
症状として、声が聴こえにくくなり自分の声が大きくなります。
耳痛・耳の閉塞感・鼻の詰まり・鼻汁・発熱・頭痛などがあり、
問診の例として発症前に冷・暖房の風にあたり過ぎたかなど
風寒・風熱の外感病を疑い問診します。

肝火上擾
感情の抑うつ(ストレス)・激怒などにより
肝の疏泄が障害され肝鬱化火となり肝火が経絡に沿って耳を塞ぎます。
症状は、突然の耳鳴、又は耳聾、怒ると症状が悪化・
頭痛・めまい・両脇の脹痛・口が苦いなどが挙げられます。
問診の例として発症前にイライラしたかなどの精神的な負担を疑い問診します。

脾胃虚弱
病の慢性化や生もの・冷たいものの食べ過ぎで脾胃が虚弱になり
気血を正常に生成できず耳まで滋養できずに起こります。
症状は、両耳の耳鳴、又は耳聾・食欲不振・泥状便・倦怠感などがあります。
問診の例として発症前に生ものや冷たい物の過食があったか
胃腸の負担を疑い問診します。

腎精欠損
先天的な腎精の不足や慢性的な病が腎に影響して
精血の不足から起こります。
症状として、耳鳴が常にしていて、夜間に悪化する・
聴力が徐々に減退する・頭がふらつく・足腰がだるいなどがあります。
問診の例として夜間に症状が悪化するかを問い
体の陰陽の傾向をみます。

痰火鬱結
飲酒や脂っこいもの、辛いものの過食で痰熱が内生して
経絡に滞る事で起こります。
症状として、突然の両耳の耳鳴が持続的に聞こえる・
イライラ・胸部の脹悶感・頭が重い・咳・黄色の痰が出るなどが挙げられます。
問診の例として食事の不摂生を伺い
体内が熱の傾向にあるかをみます。


参考文献:
『中医基本用語辞典』  東洋学術出版
『症状による中医診断と治療』  燎原書店

本多

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