下野です。

『オランダ航空&ダッチデザインコレクション』 枻出版社
『オランダ航空&ダッチデザインコレクション』 枻出版社

1951年当時の
航空会社のポスターですが、
やはり日本のイメージは
こうだったのでしょうか?
色々情報が入りやすくなった現在では、
どのようなポスターになるのでしょうか?
すこし気になります。

では『薬性の歌』に参ります。
今回が第三回になります。


【原文】
麦門甘寒、解渇祛煩、補心清肺、有熱自安。
温水漬、去心、不令人心煩。
天門甘寒、肺痿肺癰、消痰止嗽、喘熱有功。
温水漬、去心皮。
黃連味苦、瀉心除痞、清熱明眸、濃腸止痢。
去鬚生用、瀉心清熱、酒炒、濃腸胃、姜製、止嘔吐。
黃芩苦寒、枯瀉肺火、而清大腸、湿熱皆可。
去皮朽。枯朽者、治上焦。條実者、治下焦。
黃柏苦寒、降火滋陰、骨蒸湿熱、下血堪任。
去粗皮、切片蜜炒、酒炒、人乳炒、童便炒、或生用、隨病用之。

<第四に続く>


【解説】
麦門は甘、寒。
養陰により渇を解して、
煩熱を除き、
清熱で心を補い、
肺を清らかにし、
陰虚熱を改善させる。

天門は甘、寒。
肺痿、肺癰に用いる。
陰虚内熱による喘息に効果があり、
痰を消し、咳嗽を止める。
温水に漬して、芯皮を去ること。

黄連の味は苦。
心の実火を瀉して消痞し、
清熱させることで神(瞳)を回復させ、
腸胃を調え下痢を止める。
ひげ根を取って生で用いれば心火を瀉し、
酒で炒すと腸胃を調え、姜汁で炒せば嘔吐を止める。

黄芩は苦、寒。
枯芩は肺火を瀉し、
子芩は大腸の火を清す。
湿熱を捌くのに適している。
朽ち皮を取る。
枯芩は軽いため上達して上焦を治し、
条芩は重く下達するため下焦を治す。

黄柏は苦、寒。
降火作用が強く、滋陰し、
骨蒸、湿熱、下血に用いる。
粗皮を取り、切片は蜂蜜や酒、人乳(母乳)、子供の尿で炒め、
病によっては生で用いる。

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◉麦門

麦門冬
麦門冬

ユリ科のジャノヒゲの塊根。
性味:甘・微苦・微寒
帰経:肺・心・胃
※為沢先生による解説はこちら→【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(下)百七十七章・百七十八章

葉状からジャノヒゲ(蛇の髭)や
リュウノヒゲ(龍の髭)が名前の由来とされている。

◉天門

天門
天門

ユリ科のクサスギカズラの塊根を湯通しし、
外皮を取り乾燥したもの。
性味:甘・苦・大寒
帰経:肺・腎
効能
①潤肺滋腎・清熱化痰:肺熱傷陰による咳嗽、喀血、呼吸困難など。
方剤例→二冬膏
②潤腸通便:腸燥便秘。
方剤例→麻子仁、生地黄などど用いる。

◉黄連

黄連
黄連

キンポウゲ科のオウレン属の根茎。
性味:苦・寒
帰経:心・脾・肝・胆・胃・大腸
※本多先生による解説はこちら→黄連湯/腹證奇覧

黄連は、タネを播いてから採取まで
5〜6年の年数を要すようである。

◉黄芩

黄芩
黄芩

シソ科のコガネバナの周皮を除いた根。
内部が充実し、細い円錐形をしたものを条芩、桂芩、尖芩などと称し、
老根で内部が黒く空洞になってものを枯芩、
さらに片条に割れたものを片芩と称する。
性味:苦・寒
帰経:肺・脾 ・大腸・小腸・胆
※本多先生による解説はこちら→黄土湯/腹證奇覧

別名スカルキャップと言われ、
アメリカの先住民達は
狂犬病や毒虫に対して用いたと言われている。
見た目が帽子のようなため、
この名前になったとようである。

◉黄柏

黄柏
黄柏

ミカン科のキハダ。
またはその他の同属植物の
周皮を除いた樹皮。
性味:苦・寒
帰経:腎・胆・膀胱
効能
①清熱燥湿:黄疸、下痢、臭いのある帯下、排尿痛など。
方剤例→白頭翁湯、易黄湯、二炒散など
②清熱瀉火:陰虚火旺の遺精、盗汗など。
方剤例→知柏地黄丸
③清熱解毒:皮膚の化膿症、口内炎、火傷など。
方剤例→苦参、白鮮皮などと用いる。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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