どうも下野です。

虹

突然の雨に打たれましたが、
その後には虹を見る事が出来ました。

今回も『万病回春』の記事になります。


【原文】
六脈者、浮沈遅数滑濇也。
浮者、為陽、在表、為風、為虚也。
沈者、為陰、在裏、為湿、為実也。
遅者、在臟、為寒、為冷、為陰也。
数者、在腑、為熱、為燥、為陽也。
滑者、血多気少也。滑為血有餘。
濇者、気多血少也。濇為気濁滞。

八要者、表裏虛実寒熱邪正是也。
八脈者、浮沈遅数滑濇大緩是也。
表者脈浮、以別之病不在裏也。
裏者脈沈、以別之病不在表也。
虚者脈濇、以別之五虛也。
実者脈滑、以別之五実也。
寒者脈遅、以別之臟腑積冷也。
熱者脈数、以別之臟腑積熱也。
邪者脈大、以別之外邪相干也。
正者脈緩、以別之外無邪干也。

洪弦長散、浮之類也。
伏実短牢、沈之類也。
細小微敗、遅之類也。
疾促緊急、数之類也。
動揺流利、滑之類也。
芤虛結滞、濇之類也。
堅実鉤革、大之類也。
濡弱柔和、緩之類也。

七表者、浮芤滑実弦緊洪也。
浮者、不足挙有餘也。
芤者、中空両畔居也。
滑者、如珠中有力也。
実者、逼逼與長俱也。
弦者、如按弓弦狀也。
緊者、牽繩轉索初也。
洪者、按之皆極大也。
浮為中風、芤失血也。
滑吐、実下分明別也。
弦為拘急、緊為疼也。
洪大従来偏主熱也。

<第十に続く>


【現代語訳・解説】
六脈は浮・沈・遅・数・滑・濇である。
浮は陽で表であり、風・虚を主る。
沈は陰で裏であり、湿・実を主る。
遅は臓にあって、寒・冷・陰を主る。
数は腑にあって、熱・燥・陽を主る。
滑は血が多く、気は少ない。
滑は血の有余を主る。
濇は気が多く、血は少ない。
濇は気の滞りである。

八要とは、
表・裏・虚・実・寒・熱・邪・正である。
八脈は、
浮・沈・遅・数・滑・濇・大・緩である。
表は脈浮、病は裏に在らず。
裏は脈沈、病は表に在らず。
虚は脈濇、五虚なり。
実は脈滑、五実なり。
寒は脈遅、臓腑の積冷なり。
熱は脈数、臓腑の積熱なり。
邪は脈大、外邪に侵される。
正は脈緩、外邪に侵されることはない。

洪弦長散は浮の類である。
伏実短牢は沈の類である。
細小微敗は遅の類である。
疾促緊急は数の類である。
動揺流利は滑の類である。
芤虛結滞は濇の類である。
堅実鉤革は大の類である。
濡弱柔和は緩の類である。

七表は、
浮・芤・滑・実・弦・緊・洪である。
浮は足らず、挙げて有余である。
芤は中空感があり、外側のみ感じる。
滑は珠のようで中に力あり。
実は気血壅盛である。
弦は弓の弦の様である。
緊は縛った縄に触れるような感じである。
洪は三部が大なり。
浮は中風を、
芤は失血を、
滑は嘔吐し、
実は下す。
弦は拘急で、
緊は疼痛となる。
洪大は熱を表す。

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前回までと同様 脈についてであり、
主にそれぞれの脈の主病が書かれている。

『難経』において
切診(脈診)は巧と表現され、
脈より陰陽寒熱虚実、病の部位を知るための
重要な位置づけとされている。

脈診を勉強する際、
書籍では脈の形や部位を文章は勿論ですが、
図で示していたりされていますが、
イメージはし易いものの
いざ脈を診てみなさいと言われても
私自身はそう上手くは出来ませんでした。

現在、脈診を勉強している学生さんや
私を含めた鍼灸師さんは
書籍で頭に理論を入れつつ
やはり一人でも多くの方の脈を診て
感覚として身につけて頂ければと思います。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『基礎中医学』 燎原書店
『中医脉学と瀕湖脉学』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医学の基礎』 東洋学術出版社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社
『中医診断学ノート』 東洋学術出版社
『図解鍼灸脈診法 胃の気の脈診』 森ノ宮医療学園出版部

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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