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【お知らせ】年末年始の鍼灸治療


こんにちは、下野です。

先日 本屋で『ピーナッツ』を目にしましたので、
懐かしく思い 立ち読みをしておりました。
『ピーナッツ』は、ご存知「スヌーピー」という
超がつくほど有名なキャラクターが登場する漫画ですが、
正直 子供向きの本だと思っておりました。

ところが 今になって読んでみると、
「YOU  PLAY  WITH  THE  CARDS  YOU’RE  DEALT…
WHATEVER  THAT  MEANS.」
等のキャラクターのセリフ、
めちゃくちゃ奥が深い哲学書じゃないですか!と一人驚いておりました。
暫くの間、『ピーナッツ』が愛読書になるかもしれません。

では『難経』に参ります。


【原文】
六十九難曰、経言虚者補之、実者瀉之、不実不虚、以経取之、何謂也。

然。
虚者補其母、実者瀉其子、当先補之、然後瀉之。
不実不虚、以経取之者、是正経自生病、不中他邪也、
当自取其経、故言以経取之。


【現代語訳】
医学経典には、
虚証には補法を行い、実証には瀉法を行い、
虚実がなければその経で治療を行うと述べられているが
これはどういう意味なのか。

答え。
虚の場合はその母を補い、実の場合はその子を瀉す。
治療を行う際は、補を先に行い その後に瀉を行うのである。
実でも虚でもない場合は、その経で治療を行うのであり、
これは他の経より邪を受けたものではなく、正経自ら生じた病である。
したがって、自経から病の治療穴を選穴しなければならないため、
故言以経取之。と表現されているのである。


【解説】
当難では治療原則について論じている。

相生関係の図
相生関係の図

○虚証にはその母を補う。
この原則に関して除霊胎は
「母とは我を生じる経である。例えば肝虚であれば腎経を補う。母の気が実すれば生じる力は強くなる。」
(『難経解説』東洋学術出版社)と述べている。

では右図の土(脾)を例にすると、
「火生土」(心生脾)からその母は火(心)となる。
当難の法則から治療方法を導くと、以下の方法がある。
①経脈の五兪穴でもって治療を行う。
土を生むのは火になるので、自経(脾経)の火穴である大都で治療を行う。
②素体全体でもって治療を行う。
上記同様に土を生むのは火となるが、それを臓腑でもって考える。
つまり脾虚であれば、その親である心の火穴である少府で治療を行う。

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○実証にはその子を瀉す。
この原則に関して除霊胎は
「子とは我が生む経である。例えば肝実であれば心経を瀉す。子の気が弱まれば、
その母をいっそう強く食することになる。」(『難経解説』東洋学術出版社)と述べている。

ではこちらも、虚証の時と同様に土(脾)を例にすると、
「土生金」(脾生肺)からその子は金(肺)となり、
こちらも虚証同様 以下の治療方法となる。
①経脈の五兪穴でもって治療を行う。
土は金を生むので、自経(脾経)の金穴である商丘で治療を行う。
②素体全体でもって治療を行う。
土は金を生むを臓腑でみると、脾の子は肺になる。
よって治療は肺の金穴である経渠で行う。
———————————————————————————

○不実不虚は自経で治療をする。
ここで書かれている不虚不実の虚・実とは、
上記の虚実に対して述べたものであるとされており、
他経から伝わったものだと考えられている。
つまり不虚不実とは自経の病を指し、
その病の中にも虚実があり、その状態を見きわめて
治療を行えば病は治癒するだろうとされている。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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