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【お知らせ】年末年始の鍼灸施療


明けましておめでとうございます、大原です。
2020年もよろしくお願いします。

さて、お正月の、
代表的なおせち料理といえば
黒豆でしょうか。

おせち料理に黒豆が入っているのは
黒豆の「まめ」に、
「まめまめしく働く」
「まめに心を配って生活する」
「元気」
などの意味があるそうで、
縁起が良いとされていたり、
また、豆料理は日持ちすることから、
お正月は台所から解放されてゆっくりできるようにする、
など、いろいろな説があるようです。

このように、
おせち料理には欠かせない黒豆ですが、
ある薬膳の書物によると
黒は東洋医学では五臓の腎の色で、
腎の機能を補います。また、黒豆は
腎虚で視力の弱い子どもに良いと古文献に記載があります
と書かれており、
科学的にも、黒豆の色の成分である「アントシアニン」が、
ロドプシンといわれる眼の細胞の再合成を助けるとあり、
眼精疲労や視力改善作用があるとされているようです。
(『東方栄養新書』より)

『中医臨床のための中薬学』では、
黒豆(コクズ)の効能として
・滋陰補血・利水作用
(陰血不足によるふらつきや月経不順・血虚による水腫に用いる)
・祓風止痙作用
(産後の痙攣、食いしばりなどに用いる)
・解毒作用
(薬物中毒、熱毒などに用いる)
などがあるとされています。

このような意味や効能を知って食すると、
美味しさが少し増すような気もしますね。

ただ、黒豆を甘く煮たりする場合や、
他のおせち料理にも栗きんとんなど、
砂糖を多く使うものが多くあります。

先ほどの薬膳の本によると
砂糖は甘味で余分な水分を溜まらせやすく、
余分な熱をこもらせやすい特徴がある
(『東方栄養新書』より)とありますので、
先に述べた黒豆の効能(利水や解毒作用)を
砂糖が打ち消してしまうことになるのでは?
などと考えてしまいます。

黒豆の効能をしっかりさせるためには、
糖分の多いものは
少し控えめにした方が良いかも知れませんね。
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参考文献
『東方栄養新書』 メディカルユーコン
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

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・・・話は変わりますが、
今回は新年一回目の記事ですので、
今年2020年はどのような年になるのか、
以下、備忘録の意味も込めて
東洋医学の五運六気学説という考え方から少しみてみましょう。

五運六気学説とは
干支えとは五行と関わりがあり、その干支の五行の特性から、
その年の気候がどのようになるかを予測する考え方」です。

干支は毎年順番に変わり、
今年2020年の干支は「庚子(かのえ ね)となります。
庚子(かのえ ね)」ですので
歳運:金運太過 (→五行の「金」)
司天の気:少陰君火 (→五行の「火」)
となります。
↑この辺りの解説は
去年の記事などにありますので
詳しく知りたい方は参照ください。
2018年・2019年の運気(五運六気学説より) その1
2018年・2019年の運気(五運六気学説より) その6

歳運から、客運を割り出します。
今年は金運太過の年なので、
初運が金の太過(=「太商」といいます)となり、
客運の推移は以下のようになります。
<2020年の客運>
・初運:1月下旬〜3月末 →(金+)→金気が強くなる(→草木が発達しにくい)
・二運:3月末から6月中旬 →(水−)→水気が弱く、水気を克す土気が強くなる
・三運:6月中旬から8月末 →(木+)木気が強くなる(→風がよく吹く)
・四運:8月末から11月中旬 →(火−)火気が弱く、火気を克す水気が強くなる(→涼しくなりやすい)
・五運:11月中旬から1月下旬 →(土−)土気が弱く、土気を克す木気が強くなる(→風がよく吹く)

さらに、司天の気が少陰君火の年なので、
客気の推移は以下のようになります。

<2020年の客気>
一之気(大寒から春分まで):太陽寒水(三陽)
二之気(春分から小満まで):厥陰風木(一陰)
三之気(小満から大暑まで):少陰君火(二陰)←司天
四之気(大暑から秋分まで):太陰湿土(三陰)
五之気(秋分から小雪まで):少陽相火(一陽)
六之気(小雪から大寒まで):陽明燥金(二陽)←在泉

1年を司どる気が少陰君火
五行の「火」が司どることから、
1年を通して気温が高い状態がベースになりそうです。

・・・長くなりましたので
これらの解説については、
また別の記事で詳しく書いていこうと思います。


参考文献:
『内経気象学入門』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

大原

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