<近日開催予定のイベント情報>
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こんにちは、為沢です。

では、『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:痛風論 其之二

又朱宅閫內,年近三十,食味甚厚,
性躁急,患痛風,攣縮數月,醫禱不應。
予視之曰:此挾痰與氣証,當和血疏氣導痰,病自安。
遂以潛行散入生甘草、牛膝、炒枳殼、
通草、陳皮、桃仁、姜汁,煎服半年而安。
又鄰鮑六,年二十餘,因患血痢,
用澀藥取效,後患痛風,叫號撼鄰。
予視之曰:此惡血入經絡証。
血受濕熱,久必凝濁,所下未盡,留滯隧道,所以作痛。
經久不治,恐成偏枯。遂與四物湯加桃仁、
紅花、牛膝、黃芩、陳皮、生甘草,
煎入生姜,研潛行散,入少酒飲之數十帖。
又與刺委中,出黑血近三合而安。
或曰:比見鄰人用草藥研酒飲之不過數帖,亦有安者,
如子之言,類皆經久取效,無乃太迂緩乎?
予曰:此劫病草藥,石上採石絲為之君,
過山龍等佐之,皆性熱而燥者,不能養陰卻能燥濕。
病之淺者,濕痰得燥則開,熱血得熱則行,亦可取效。
彼病深而血少者,愈劫愈虛,愈劫愈深,若朱之病是也。
子以我為迂緩乎?

『格致餘論注釈』訳を使用:
また朱夫人は歳の頃三十に近く、
大変な美食家で、性格はせっかちであったが
痛風を病み、数ヶ月にわたって手足が曲がって伸ばせなかった。
医師にかかったり祈祷を試みたりしたが効果はなかった。
私は「これは痰と気がつまっている証であり、
血を調和させ気を通して痰を導き出してやれば
病気は自然と治るだろう。」と診察した。
そこで潜行散に生甘草・牛膝・炒枳殼・通草・陳皮・
桃仁・姜汁を入れて煎じて服用させたところ、半年後に治癒した。
さらに隣人の鮑六は、歳の頃二十あまりで、赤痢を患い、
渋薬を服用して効果があったが、後に痛風を病み、
泣き叫んであたりを揺り動かすほどであった。
私は「悪血が経絡に入った証であり、血が湿熱を受け
長い間にきっと凝り濁って、すべてを下しきっておらず、
隧道に留まり滞ったために、痛みが生じたのであり、
そのまま治さないでおくと半身不随になる」と診断した。
そこで四物湯に桃仁・紅花・牛膝・黄芩・陳皮・生甘草を加え、
生姜を入れ、潜行散をすりつぶし、少しばかりの酒を入れて
数十服服用させ、更に委中に(鍼を)刺して黒血を出したところ、
三合近く出て治癒した。
ある人が「このごろ隣人が草薬を用い、酒に混ぜて飲ませると
数服も服用すれば治ってしまうのを見ていると、
あなたのいうような処方はみな時間がたってから
効果を現すものばかりですが、少々回りくどすぎやしませんか」
と言った。
私は「こうした病気を取り除く草薬は、
石の上で採った石糸を君薬とし、過山龍などをその佐薬とするものですが、
これはみな性質が熱で燥なものですから、陰を養うことはできず、
かえって湿を乾燥させてしまいます。
病気の浅いものは湿痰が燥を得れば開き、
熱血が熱を得て循環し、効果が上がりますが、
病気が深く入り込み血が少ないものは、
取り除けば取り除くほど虚になり、深くなっていくのです。
朱夫人の症例などはまさにこれに当たります。
それでもあなたは私のことを回りくどいというのですか」
と答えた。


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

東大寺
東大寺

東大寺の内部です。
大仏も圧巻ですが、建物の構造にも見とれてしまいました。

為沢

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