<討論会・座談会の開催お知らせ>
学生さんや鍼灸師を目指す方、
お待ちしてます!!!

【対象者】学生、この業界を目指す方
(※免許を取得し鍼灸師になった方は今回はご遠慮頂いております)

【日時】2017/03/05(日) 15:00~18:00

【費用】一人3,000円

詳しくはこちらの記事をご参照ください。
https://www.1sshindo.com/blog/zenith13539/


Superman For All Seasons
Superman For All Seasons

下野です。
上の画像は
ほぼ皆さんが知っているヒーロー
「スーパーマン」のコミックになります。
僕はそこまで詳しい訳ではありませんが、
スーパーマン=クリストファー・リーヴのイメージなので、
多少 絵の違いに戸惑いました(^_^;
が、話の内容は非常に良いものです。
ご興味のある方は是非。

では、今回も引き続き「諸病の主薬」になります。


【原文】
瘧疾新者、宜截、須用常山、為主。
瘧疾久者、宜補、須用白豆蒄、為主。
痢疾初起者、宜下、須用大黄、為主。
裏急後重、須用木香、檳榔、為主。
痢属熱積気滞、須用黄連、枳穀、為主。
久痢白者、属気虚、須用白朮、茯苓、為主。
久痢赤者、属血虚、須用当帰、川芎、為主。

<第十三に続く>


【解説】
瘧を新たに発症した者は取り去るのが良い。
常山を使用すべし。

瘧が久しい者は補うのが良い。
白豆蒄を使用すべし。

痢疾の初めの者は下さすのが良い。
大黄を使用すべし。

裏急後重(しぶり腹)には、木香、檳榔を使用すべし。

熱積、気滞に属す腹下しには、黄連、枳穀を使用すべし。

痢疾が不愈で白き便を出す者は、気虚に属す。
白朮、茯苓を使用すべし。

痢疾が不愈で赤き便を出す者は、血虚に属す。
当帰、川芎を使用すべし。

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常山じょうざん

常山『中医臨床のための中薬学』より
常山『中医臨床のための中薬学』より

ユキノシタ科のジョウザンアジサイの根を
天日干ししたもの。
性味:苦・寒・辛・小毒
帰経:肺・心・肝
効能:
①吐痰行水
・胸中の痰飲による胸苦しい・舌苔が膩など。

②截瘧
・悪寒発熱の発作を繰り返す(截瘧)に。
方剤例 → 截瘧七宝飲。
・上記疾患で痰熱に偏るとき。
方剤例 → 常山飲。

白豆蔻はくずく

白豆蔻『中医臨床のための中薬学』より
白豆蔻『中医臨床のための中薬学』より

ショウガ科のビャクズク属植物で、
その成熟した果実。
性味:辛・温
帰経:肺・脾・胃
効能:
①行気温中
・寒湿の気滞による腹満・腹痛に。
方剤例 → 利膈寛中飲。

②化湿消痞
・湿温初期の胸の苦しさ・食欲低下・舌苔の濁膩に。
方剤例 → 三仁湯・黄芩滑石湯。

③温胃止嘔
・胃寒による嘔吐に。
方剤例 → 白豆蔻湯。

④開胃消食
食積による少食・消化不良に。

⑤二日酔い・嘔吐に。
方剤例 → 葛花解酲湯。

大黄だいおう

大黄
大黄

タデ科のダイオウ属植物。
又は、それらの種間雑種の根茎。
性味:苦・寒
帰経:脾・胃・大腸・肝・心包
効能:
①瀉熱通腸
・胃腸の実熱積滞の便秘や腹痛、高熱、意識障害などに。
方剤例 → 大承気湯・小承気湯・調胃承気湯。
・大腸湿熱の下痢や腹痛、テネスムスなどに。
方剤例 → 芍薬湯。
・食積の下痢や腹満、腹痛に。
方剤例 → 木香檳榔丸・枳実導滞丸。
・寒積の便秘や腹痛、冷えなどに。
方剤例 → 温脾湯・大黄附子湯。

②清熱瀉火・凉血解毒
・火熱上亢の目の充血、喉の痛みや腫れ、歯痛、鼻血など。
方剤例 → 三黄瀉心湯・凉膈散・当帰竜薈丸。
・虫垂炎に。
方剤例 → 大黄牡丹皮湯・闌尾化瘀湯・闌尾清化湯。
・皮膚化膿症に。

③行瘀破積
・血瘀の無月経や産後瘀阻の腹痛に。
方剤例 → 無積丸・下瘀血湯。
・打撲外傷の腫れや痛みに。
方剤例 → 復元活血湯・治打撲一方・通導散。

④清化湿熱
・湿熱の黄疸に。
方剤例 → 茵蔯蒿湯。
・水熱互結の結胸による心窩部〜下腹の痛み、発熱などに。
方剤例 → 大陥胸湯。
・腹水の腹満や便秘、尿量の減少に。
方剤例 → 已椒藶黄丸。

木香もっこう

木香『中医臨床のための中薬学』より
木香『中医臨床のための中薬学』より

キク科のトウヒレン属の根部。
性味:辛・苦・温
帰経:肺・肝・脾・胃・大腸・三焦
効能:
①行気止痛
・胃腸気滞の腹満や腹痛、嘔吐など。
方剤例 → 木香調気散・香砂二陳湯。
・食積や湿熱の腹痛や便秘、下痢に。
方剤例 → 香連丸。

②健脾消食・止瀉
・脾胃気虚の気滞による少食、腹満、食欲不振などに。
方剤例 → 香砂六君子湯・香砂枳朮丸。

檳榔びんろう

檳榔『中医臨床のための中薬学』より
檳榔『中医臨床のための中薬学』より

ヤシ科の檳榔樹の成熟した種。
性味:苦・辛・温
帰経:胃・大腸
効能
①行気消積・瀉下
・食積気滞の腹満や腹痛、便秘等に。
方剤例 → 木香檳榔丸。
・湿熱下痢のテネスムスに。
方剤例 → 芍薬湯。

②利水消腫
・脚気の腫脹や痛みに。
方剤例 → 鶏鳴散・九味檳榔湯。
・実証の水腫に。

③殺虫
・線虫や回虫の虫積に。

④その他
・マラリア等に。

黄連おうれん

黄連
黄連

キンポウゲ科のオウレン属の根茎。
性味:苦・寒
帰経:心・脾・肝・胆・胃・大腸
効能:
①清熱燥湿
・大腸湿熱の下痢や裏急後重に。
方剤例 → 香連丸・芍薬湯・葛根黄笒黄連湯。
・腸胃湿熱の腹満や嘔吐、悪心、下痢に。
方剤例 → 半夏瀉心湯・枳実消痞丸。
・三焦湿熱の潮熱や胸苦しい、口渇、嘔吐などに。
方剤例 → 杏仁滑石湯。

②清熱瀉火
・熱入心包の高熱や意識障害、譫言、煩燥などに。
方剤例 → 牛黄清心丸・安宮牛黄丸。
・火盛迫血妄行の吐血、鼻血に。
方剤例 → 三黄瀉心湯。
・心火上炎の焦燥、不眠、口内炎に。
方剤例 → 朱砂安神丸。
・陰血不足があるときに。
方剤例 → 黄連阿膠湯。
・胃火の消穀善飢、歯痛に。
方剤例 →清胃散。
・肝火胃犯の胃痛や嘔吐、胃酸過多に。
方剤例 → 左金丸。
・肝火上炎による目の充血や腫れ、痛みに。
方剤例 → 当帰竜薈丸。
・胸中積熱・腸中有寒の腹痛、嘔吐に。
方剤例 → 黄連湯。

③清熱解毒
・熱毒の高熱、煩燥、目の充血、腫れ、咽喉の痛み、皮膚化膿症に。
方剤例 → 黄連解毒湯・普済消毒散。
・火毒による目の充血や腫れ、痛みに。

枳穀きこく

枳穀『中医臨床のための中薬学』より
枳穀『中医臨床のための中薬学』より

ミカン科のダイダイ、イチャンレモンの成熟果実。
性味・帰経・効能は
枳実と同じあるが、
作用が緩和で理気寛中や
胸腹の気滞による痛みに適す。
日本産では夏代や温州ミカンがこれに当たる。

白朮びゃくじゅつ

白朮
白朮

キク科のオオバナオケラの根茎。
性味:甘・苦・温
帰経:脾・胃
効能:
①健脾益気
・脾気虚による食欲不振・泥状便・水様便・腹満・倦怠無力感。
方剤例 → 四君子湯・参苓白朮散。
・虚寒の腹痛や冷えに。
方剤例 → 理中湯・附子理中湯。
・脾虚に積滞があり、腹満や腹痛に。
方剤例 → 香砂枳朮丸。

②燥湿利水
・脾虚で水湿が停滞したための浮腫・尿量減少・泥状便・水様便などに。
方剤例 → 防已黄耆湯・啓脾湯。
・虚寒の冷えや寒がるを伴うときに。
方剤例 → 実脾湯・真武湯。
・水飲の滞りによるふらつきやめまいに。
方剤例 → 苓桂朮甘湯。
・湿困脾陽の腹満や下痢に。
方剤例 → 四苓散・五苓散・胃苓湯。

③固表止汗
・表虚の自汗に。
方剤例 → 玉屏風散。

④安胎
・胎動不安・妊娠中の腹痛・性器出血など。

⑤その他
・風湿痺の関節痛に。

茯苓ぶくりょう

茯苓
茯苓

サルノコシカケ科のマツホドの外層を除いた菌核。
性味:甘・淡・平
帰経:心・脾・肺・腎・胃
効能:
①利水滲湿
・水湿停滞の尿量減少や浮腫に。
方剤例 → 四苓散・五苓散。

②健脾補中
・脾虚の食欲不振や元気がない、腹鳴、水様便などに。
方剤例 → 四君子湯・啓脾湯・参苓白朮散。
・脾虚の水湿停滞で悪心や嘔吐、めまいなどに。
方剤例 → 二陳湯・半夏白朮天麻湯・六君子湯・小半夏加茯苓湯。

③寧心安神
・心神不寧の不眠や動悸などに。
方剤例 → 帰脾湯・安神定志丸。

当帰とうき

当帰
当帰

セリ科の根をいう。
根頭部を帰頭、主根部を当帰身、支根を当帰尾、
帰身と帰尾を含めて全当帰という。
性味:甘・辛・苦・温
帰経:心・肝・脾
効能:
①補血調経
・血虚による顔色につやがない・頭のふらつき・眩暈・目がかすむ・動悸・月経不順などに。
方剤例 → 四物湯。
・大出血のあと、あるいは気虚をともなうときに。
方剤例 → 当帰補血湯。
・虚寒の腹痛・冷えなどをともなうときもに。
方剤例 → 当帰生姜羊肉湯。

②活血行気・止痛
・気滞血瘀の疼痛・腹腔内腫瘤などに。
方剤例 → 膈下逐瘀湯。
・打撲外傷による腫脹・疼痛に。
方剤例 → 活絡効霊丹。
・痺証のしびれ痛みにも。
・癰疽瘡瘍にも。

③潤腸通便
・腸燥便秘に。
方剤例 → 潤腸丸。

川芎せんきゅう

川芎
川芎

セリ科のマルバトウ属植物の根茎。原名は芎藭。
性味:辛・温
帰経:肝・心包・胆
効能:
①活血行気
・気血瘀滞による月経不順・無月経・月経痛など。
方剤例 → 四物湯。
・肝鬱気滞・血瘀の胸脇痛。
方剤例 → 柴胡疏肝散。
・瘀血痺阻心脈による挟心痛。
方剤例 → 冠心Ⅱ号。
・火毒壅盛の気滞血瘀による皮膚化膿症など。
方剤例 → 透膿散。
・打撲外傷による内出血の腫脹・疼痛。

②祛風止痛
・風寒の頭痛に。
方剤例 → 川芎茶調散。
・風熱の頭痛に。
方剤例 → 川芎散。
・風湿の頭痛に。
方剤例 → 羌活勝湿湯。
・血虚の頭痛に。
方剤例 → 加味四物湯。
・風寒湿痺の関節痛に。
方剤例 → 三痺湯。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『本草綱目』 国立国会図書館デジタルコレクション
『東方栄養新書』 メディカルユーコン

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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