【週2日程度の研修生募集中】
週に2日程度(各半日)の研修生を募集しております。
学生であれば、業界の相談や
当院蔵書の閲覧、及び基礎中医学の修得を目指し、
適正があれば修行生や内弟子として
上を目指すことも可能です。
詳しくは本院まで。
期間:6ヶ月(相談により更新の余地あり)
募集二名、面接あり。
一鍼堂大阪本院:☎06-4861-0070


我が家の愛車(笑)洗車完了!!
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下野です。
もう今年も残り1ヶ月半ほど。
そろそろ大掃除という
1年の締めくくり行事がやって来ます。
日程を決めて、
計画的にやっていかないといけませんね。

では今回から、
『諸病の主薬』とう新しい章になります。


【原文】
中風、卒倒不語、須用牙皂、細辛、開関為主。
痰気壅盛、須用南星、木香、為主。
語言蹇渋、須用石菖蒲、竹瀝、為主。
口眼喎斜、須用防風、羗活、竹瀝、為主。
手足搐搦、須用防風、羗活、為主。

<第二に続く>


【解説】
中風で卒倒し、
意識障害の者には、
牙皂、細辛を使用すべし。

痰気の塞がりがきつい者には、
南星、木香を使用すべし。

言語障害には、
石菖蒲、竹瀝を使用すべし。

口眼喎斜(顔面神経麻痺)には、
防風、羗活、竹瀝を使用すべし。

手足搐搦(テタニー、強縮症)には、
防風、羗活を使用すべし。

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牙皂げそう(皂角)

皂角『中医臨床のための中薬学』より
皂角『中医臨床のための中薬学』より

マメ科トウサイカチの果実で、
成熟品を皂角、未成熟品を牙皂などと区別。
性味:辛・鹹・温・小毒
帰経:肺・大腸
効能:
①袪痰
・頑痰阻塞の粘稠痰や胸苦しい、呼吸促迫などに。
方剤例 → 牙莢丸。
・黄色の頑痰にも。

②通竅開閉
・中風の意識障害や牙関緊急(三叉神経症状)に。
方剤例 → 通関散。
・癲癇で牙関緊急(三叉神経症状)して痰盛を呈する時に。
方剤例 → 稀涎散。
・燥結便秘に。
方剤例 → 皂角散。

③消腫止痒
・皮膚化膿症に外用する。

細辛さいしん

細辛
細辛

ウマノスズクサ科のケイリンサイシン、
または、ウスバサイシンの根をつけた全草。
性味:辛・温
帰経:肺・腎
効能:
①散寒解表
・風寒表証の発熱・悪寒・頭痛・身体痛・鼻閉、脈が浮などの症候に用いる。
方剤例 → 九味羗活湯

②温肺止痛
・寒飲による咳嗽・呼吸困難・希薄な痰などの症候に用いる。
方剤例 → 小青竜湯

③祛風止痛
・風寒の頭痛などの症候時に用いる。
方剤例 → 川芎茶調散

南星なんしょう

南星『中医臨床のための中薬学』より
南星『中医臨床のための中薬学』より

サトイモ科のテンナンショウ属の植物。
性味:辛・苦・温
帰経:肺・肝・脾
効能
①燥湿化痰
・湿痰による咳嗽・胸が苦しい等に。
方剤例 → 導痰湯・白朮丸
・寒痰の咳嗽・痰等に。
方剤例 → 姜桂丸
・肺熱によるもの。
方剤例 → 小黄丸

②祛風解痙
・風痰のめまい・半身不随・顔面神経麻痺などに。
方剤例 → 青州白丸子
・破傷風の症状に。
方剤例 → 玉真散・五虎追風湯

③解毒消腫
・皮膚化膿症・リンパ節腫・蛇の咬傷に。

木香もっこう

木香『中医臨床のための中薬学』より
木香『中医臨床のための中薬学』より

キク科のトウヒレン属の根部。
性味:辛・苦・温
帰経:肺・肝・脾・胃・大腸・三焦
効能:
①行気止痛
・胃腸気滞の腹満や腹痛、嘔吐など。
方剤例 → 木香調気散・香砂二陳湯
・食積や湿熱の腹痛や便秘、下痢に。
方剤例 → 香連丸

②健脾消食・止瀉
・脾胃気虚の気滞による少食、腹満、食欲不振などに。
方剤例 → 香砂六君子湯・香砂枳朮丸

石菖蒲せきしょうぶ

菖蒲『中医臨床のための中薬学』より
菖蒲『中医臨床のための中薬学』より

セキショウの根茎。
性味:辛・苦・温
帰経:心・脾・胃
効能:
①除痰開竅
痰濁蒙閉心竅の意識障害、譫語などに。
方剤例 → 菖陽瀉心湯・菖蒲鬱金湯

②醒神健脳
心神不寧の怖がりや不眠、健忘、痴呆などに。
方剤例 → 安神定志丸・読書丸

③化湿開胃
・湿困脾胃の食欲不振や腹部の張りなどに。
方剤例 → 菖蒲六味飲
・食欲不振や下痢、腹痛などに。
方剤例 → 開噤散

④その他
難聴や耳鳴りに用いる。

竹瀝ちくれき

イネ科ハチクの竹竿を加熱し、
そこから流れ出た液汁。
性味:甘・寒
帰経:心・肺・胃
効能:
①清熱滌痰・定驚透絡
・痰壅の中風や癲癇に。
方剤例 → 竹瀝湯。
・痰熱による咳嗽や呼吸困難、喘鳴に。
方剤例 → 竹瀝達痰丸。
・小児の痰熱による痙攣に。
・痰留経絡のしびれやひきつりに。

防風ぼうふう

防風『中医臨床のための中薬学』より
防風『中医臨床のための中薬学』より

セリ科のボウフウの根および根茎。
帰経:辛・甘・微温
性味:肝・脾・膀胱
効能:
①散風解表
・風寒表証の発熱・悪寒・頭痛・身体痛などの症候時に用いる。
方剤例 → 川芎茶調散

②勝湿止痛
・風寒湿痺の関節痛・筋肉のひきつりに用いる。
方剤例 → 防風湯

③祛風止痛
・破傷風など、外風による痙攣・ひきつりに用いる。
方剤例 → 玉真散

羗活きょうかつ

羗活『中医臨床のための中薬学』より
羗活『中医臨床のための中薬学』より

中国産は、セリ科の多年草キョウカツ、
または寛葉羗活の根と根茎。
日本産はウコギ科のウドの根。
性味:辛・苦・温
帰経:膀胱・肝・腎
効能:
①散寒燥湿解表
・風寒湿邪の外感による悪寒、発熱、関節の痛みに。
方剤例 → 九味羗活湯

②祛風湿、止痛
・風寒湿痺の関節痛に。
方剤例 → 羗活勝湿湯


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『本草綱目』 国立国会図書館デジタルコレクション
『東方栄養新書』 メディカルユーコン

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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