スイセンの花(緑地公園にて撮影)
スイセンの花(緑地公園にて撮影)

修行生の大原です。
今回も読書などを通じて勉強した内容などを
書いていきます。

東洋医学は、長期にわたる生命活動の観察をもとに、
数多くの臨床経験における病理現象から、
生理現象に対する認識を深めてきました。

その中で、人体は、肝・心・脾・肺・腎の五臓を
中心とした蔵象学説が形成され、
古人は、五臓の気と各方面の関係、
たとえば「五味」「五病」「五脈」「五体」などを
明らかにしようとしました。
この中で、「五神」というものがあります。

心は神(しん)を蔵す。
肺は魄(はく)を蔵す。
肝は魂(こん)を蔵す。
脾は意(い)を蔵す。
腎は志(し)を蔵す。
(『素問 宣明五気扁』より抜粋)

これは、各臓が蔵しているものを明らかにすることで、
各臓の気はどのようなものなのかを考えたものです。

五神について、文献をもとにまとめると、
「神」とは心の機能・働きであり、心神とは高度な主導的働きをする精神活動をいう。
肺気が充盛すると気・精が充実して体力と「気魄」がある。
「魂」は意識下の思念であり、神を補佐する。
「意」とは意念であり、脾気が充足していれば鋭敏になる。
「志」とは意志であり、腎精が充盛していれば明敏になる。

さらに調べると、「魄」と「魂」は、下記のように
対照的なものであるようです。

「魄」と「魂」を陰陽関係にしたがって分類すると、
「魄」は陰に属し、「魂」は陽に属す。
「魄」は「魂」の基礎で、
「魂」は「魄」を主導する働きがある。

人体に即して考えると、
心神の外的環境に対する反応は2種類あり、
1つは生理的(本能的)反応、もう1つは心理的反応である。
このうち、本能的反応は「魄」の活動であり、
感覚や、感覚相互の間の反応と関連している低次元の反応である。
もう1つの心理的反応は、「魂」の活動であり、
人が学習することによって完成され発展する精神現象である。

上記より、「魂」とは外的環境に大きく関わる
ものだということが分かります。
ここで、「肝」は、外的環境などからのストレスで
条達・疏泄機能が失われると不調の原因となりますが、
これは「魂」の活動と結びつきます。

また、ヨガなどの運動をすると、嫌なことを忘れ
気持ちが楽になると聞いたことがあります。
これは、ヨガなどの運動を通じて
呼吸をしっかりすることで肺気が充実し、
「魄」の働きが高められ、
外的環境のストレスなどへの意識よりも
体の内側への意識が相対的に強くなるためではないでしょうか。


参考文献:
『基礎中医学』 燎原
『中医病因病気学』 東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経素問上巻』 東洋学術出版社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

2 コメント

  1. 昨日の施術で私は結局「肝」が悪かったと伺い・・
    この記事を読んで「魂」の働きに影響していたことがよく理解できました。
    あれから水上バスに乗るべく中之島公園で時間をつぶしていたら変わった楽器を吹いている方がいました。何とも牧歌的な音色で・・聞いてみるとオーストラリアのアボリジニから伝わる「ディジュリドゥ」という楽器らしい。そしてこの公園では太陽を浴びながらヨガをする集まりもあるとか(^-^)
    とにかく非日常的なストレス解消が必要ですね!!!!

    • もーちゃんさん、コメントありがとうございます。
      ディジュリドゥという楽器は初めて知りました。
      暖かくなってきて、外でも過ごしやすくなってきましたね。
      公園で、ゆっくり音楽を聴いたり、ヨガで体を動かして
      過ごすのは、リラックスできて良いですね。

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