突発性難聴
浜崎あゆみさんがなって取り上げられていますね。
これを解いてみます。
難聴など、聴力が減退するものを東洋医学では
耳聾(じろう)”と言い、きついものは聴覚を消失します。
東洋医学では、この突発性難聴(耳聾)を治療する場合に、
突発性難聴(耳聾)=どこのツボという素人じみたことは致しません。
病名ではなく、あくまで人を診ます。
この突発性難聴(耳聾)に多いケースを列挙していきますと、
①肝火によるもの
②湿痰(痰火)が塞ぐもの
③腎虚によるもの
などがあります。
教科書的には、脾胃の弱りによるものも挙げられますが、
臨床的にはあまりピンときません。
肝や、湿痰によるものが圧倒的に多い気がします。
また、脾胃が弱いと結局は湿が生じ、その病理産物が
耳を塞ぐのですから同じことを言っているのですね。
ですから、あえて省きます。
③の腎虚によるものは、
虚ですから病の進行もゆっくり。と教科書にはありますが、
これも生気の弱りがあり、そこには邪が入り込みやすく、
状況に応じては突発的に突発性難聴(耳聾)を起こすので、
単純には言えません。
まぁ、人をきちんとみればわかります。
脈力や脈幅(虚で緩を呈するものに注意)
に顕わになるので参考になります。
ですから、浜崎あゆみさんのような若い方、
というよりあのような方の突発性難聴(耳聾)では
①の肝と
②の痰火を診ていけばいいと思います。
①であれば、肝気の高ぶりが原因なのですから、
ストレスや興奮により悪化するので、
それに注意し、
肝気を降ろすような鍼(針)をすれば症状は治まります。
アーティストが休養を取ってリラックスすると自然と治るのはこの
肝火ですね。
肝胆は表裏ですから、
胆経の流注を侵しやすく、メニエール、つまり眩暈(めまい)
ふらつきを伴いやすく、
時に吐き気が治まらなくなってきますので注意を。
同じく肝気を降ろせば取れます。
②の湿痰は、湿というネバネバした邪気が体に
溜まっていて、これは取れ難く、
耳を侵すと、こもったようになり突発性難聴(耳聾)
となります。
しかし、これは熱をはらむと専らで、
痰火によるものとします。
寒湿ではもう少しサラついていますので。
熱で若干の風を生じゴォー!と上の耳を突き上げるわけですね。
湿痰のでき易い、
味の濃いもの。
チョコレートや洋菓子、油物は控えてください。
鍼では、
陽明経、特に曲池や上巨虚に邪を停滞しやすいので
こいつを取ってやるだけで大分取れます。
 

6 コメント

  1. 今日、私も患者さんとこの話をしていましたよ。
    私は元々難聴は得意ではありませんが
    今までの治験では発症してから治療開始までの期間が2ヶ月以上だと非常に難しい感じがしています。
    逆に発症して直ぐですと数週間ですんなり取れるケースが多いです。
    点天さんの所ではどうですか?
    ①によるものとされるのは、私たちの言う胆経実に値するものでしょうか?他経の変動では、肝経が虚か実を呈し、脾経虚と胃経実も現われていたりするケースです。
    書いていて気付きましたが、これって②も同時に現われている証になりますね。
    臨床では混在しているケースが多いかもですね。
    聴覚も難しいですが
    最近、苦労しているのは味覚と臭覚を同時に突然失ってしまった方です。
    病院では匙を投げられているので頑張らなければなりません。
    遅ればせながら
    あけましておめでとうございます。
    本年も宜しくお願い申し上げます。

  2. あけましておめでとうございます。
    純粋な①、②であれば治療を重ねていくたびに割と
    改善していく感じを持っていますが、
    やはり腎気の弱りが根底に強ければ強いほど、
    難治であろうと思いますし、臨床でそのように感じています。
    味覚と臭覚を同時と言うことですと、
    2経どうじであれば、併病、合病やらということを考えなければ
    なりませんが、臨床上あまり経験しないので、
    脾胃の虚損で味覚がやられ、
    湿をさばけず、鼻キョウに溢れ、嗅覚も損傷されたのではと。
    そうであれば、脈は濡や緩脈を呈してくるのではないでしょうか。
    公孫と三里の反応はどうですか?
    この場合であれば結構舌にはんどんが見られたり、
    色あせも結構あるのではないかと思われますが。
    或いは、脾胃の邪実がメインということもあるのかなぁ。
    切経してみたいですね!
    中医学的ですいません。
    本年も宜しくです!!!

  3. 先日、お話した患者さんには
    肺経、脾経、大腸経を補い、胃経を寫す治療を行っています。普段は腎経虚のことが多い方なのですが、今回は腎経虚もありますが脾経メインです。
    診断は点天さんご承知の通り、六部定位脈診です。
    脈は確かに濡脈ですね。
    配穴は太淵、太白、上巨虚、曲池、肺兪、脾兪。
    舌は、診方が分からないのでやっていません。
    現在の経過は、本人曰く「気持ち改善された気がする」・・という感じです。
    日記と内容が絡まないので、伏せてコメントしました。
    問題ないでしょうか?
    点天さんが構わなければオープンにしても構いません。

  4. ご報告ありがとうございます★
    また、出来れば経過を教えてください。
    ここは自由にやっているので
    全然大丈夫ですよ。
    細かいことは気にしないで
    まぁ 長い付き合いじゃないですか笑
    しかし、またまたコメントの少ない
    ブログになってしまいました。
    コメントがあること自体喜ばしいことです。
    お忙しいでしょうが 応援しています。

  5. コメントが少ないのはうちも同じ^^;
    患者さんは
    「みてますよ~」とか
    「更新されてないですね~」とか
    言ってはくれますが
    書くのはちょっと勇気がいるみたいですよ。
    ここ数日、藤本蓮風先生の本を読んでいます。
    わかり易く書かれていて
    読んでいて楽しいですね。

  6. 実践から理論へですか?
    蓮風先生はカリスマですよ!!!
    僕は10代の頃から蓮風先生に魅せられ続けています。
    最近二冊出ましたよ。
    経穴の解説本と『鍼灸医学における実践から理論へ』の続編です。
    かなりのお薦めです
    一生勉強ですね!

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