こんにちは、大原です。
今回から鍼灸甲乙経の第1巻の
第12篇「陰陽・清濁・精気・津液・血脈」になります。
(前回の記事はこちら

この篇の内容のもととなっているのが、
前半が『霊枢』陰陽清濁篇(第40)、
後半が『霊枢』決氣篇(第30)のようです。
さて原文からみていきましょう。

まずは前半の
『霊枢』陰陽清濁篇(第40)がもとになっている部分からです。

<原文>
黄帝問曰
「願聞人氣之清濁者何也?」
岐伯対曰
「受穀者濁、受氣者清。
清者注陰、濁者注陽。
濁而清者、上出于咽。清而濁者、下行於胃。
清濁相干、名曰亂氣。」


「夫陰清而陽濁、濁中有清、清中有濁、別之奈何?」

「氣之大別、清者上注于肺、濁者下走於胃。
胃之清氣上出於口、肺之濁氣、下注於經、内積於海。」

<読み>
黄帝問いて曰く
「願くは人の氣の清濁なる者いかんを聞かん?」
岐伯対えて曰く
「穀を受くる者はにごり、氣を受くる者はむ。
清む者は陰に注ぎ、濁る者は陽に注ぐ。
濁にして清なる者は上りて咽に出で、
清にして濁なる者は下りて胃に行く。

清濁相干す、名づけて亂氣と曰う」と。

曰く
「それ陰は清みて陽は濁る。
濁中に清有り、清中に濁有り、これを別つはいかん?」

曰く
「氣の大別、清なる者は上りて肺に注ぐ、濁なる者は下りて胃に走る。
胃之清氣は上りて口に出で、肺の濁氣は下りて經に注ぎ、
りて海に積するなり。」

<意味>
黄帝が申されるに
「人体の清気と濁気とはどのようなものなのかを聞かせて下さらんか?」
岐伯が申し上ぐ
「人体が受納するところの飲食水穀の気、
すなわち穀気は濁気であり、
天空から吸収するところの気はむものであります。
天空から受納する清気は、陰に属する五臓に注ぎ、
水穀の濁気は、陽たる六腑に注ぎます。
水穀の濁気中、化生された清気は上って咽喉に出て、
天空より吸入した清気の中、濁なるものは下降いたします。
もし上に向かう清気と下行する濁気とがその昇降常規を失い、
両者相混淆こんこうして干するようになりますと
乱気と申します」と。

「天の清気は陰に注し、水穀の濁気は陽に注すというが、
水穀の濁気の中にも清気があり、天の清気の中にも濁気がある。
とすると清気と濁気はどのようにして区別したらよいのか?」

「人体にある気の活動を大別いたしますと、
清気は上って肺に注ぎ、濁気は下行して胃に走ります。
しかし、胃の濁気中から化生した清気は、上って口に出て、
肺の中の清気中の濁気は、下って経脈に注ぎ、
内にあって気海の中に集積するものであります」と。

ここで「乱気」という言葉が出てきましたが、
これは
水穀より化生された
上るはずの清気
下るはずの濁気とが
それぞれの通常の昇降の動きを失って
相い混ざってしまっていることをいうようです。

続きます。

10月中旬の紅葉の木です。これから紅くそまっていきますね。
10月中旬の紅葉の木です。これから紅くそまっていきますね。

参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
『基礎中医学』 燎原

興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

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