<ご案内>
◉一鍼堂から鍼師と東洋医学を学ぶ人のための書籍を発刊します
書籍『東洋医学考』出版のお知らせはこちら!!
気の偏在において、上下左右の百会穴付近の反応を診ていきます。
百会の位置からほんの少し位置がズレることもありますが、仮に百会穴と想定して、
穴性は念頭に入れておかなければならないのでは?と個人的に思いました。
穴性については以前「 百会 其の一 」で
紹介しているのですが、
今回、気の偏在の勉強をする中で、
特に押さえておきたい項目を記載します。
『臨床経穴学』では、
⑴ 百会は、別名を三陽五会という。
『針灸大成』では、本穴について「手足三陽、督脈の会」と解説している。
頭は「諸陽の会」であり、本穴は頭項部に位置しており、
諸陽の経に通じているため、「百会」も命名されているのである。
また本穴は、足太陽、手足少陽と足厥陰、督脈の会
(三つの陽経と足蹴陰肝経、督脈の計五経脈が本穴で交会している)
であるとの記載もあり、このため「三陽五会」穴ともいわれている。
また中気不足、気虚下陥(全身の気を持ちあげる、下陥した清陽を昇らせる)
を治療する際の常用穴でもある。
また、同著には、
⑵「上逆の証には補灸は禁忌」とあります。
虚中挟実、本虚標実、虚気上逆による頭部疾患には本穴を取って補を施してはならない。
本穴を補すと下虚上実を形成しやすい。
〜中略〜
頭は諸陽の会であり,足厥陰肝経の脈は頭頂部に上行している。
肝火、肝陽、肝風は、清空に上擾しやすく
このため頭部病変として陽実証、または標実証、または上盛下虚証が出現する。
以前、百会穴だけにお灸を何回もして、
気分が悪くなった経験があります。
まだ鍼灸学生だった頃で、
きちんと四診や弁証を行った上で
百会穴に施灸をしたわけではない状況でした。
当時の私の状態がどのようであったか憶測でしか語る事ができませんが、
体質的に気逆のある状態だったと考えられます。
灸の禁忌として記されているものの、
鍼を扱う場合はどうでしょうか。
経穴の効能にだけスポットを当てず、
適切な弁証を行なった上で、
鍼を扱う際も強い刺入は避け、慎重に扱わねばならないと思います。
※「気の偏在」に関しては
北辰会の「空間診」がより詳しく書かれております。
是非ご参照下さい。
〔 参考文献 〕
『臨床経穴学』 著者:李世珍 出版:東洋学術出版社
引用
⑴ p.759 1〜8行目
⑵ p.768 8〜15行目
イラストは『類経図翼』を模写しながら勉強しました。

























