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「黄帝八十一難経者.
斯乃勃海秦越人之所作也.
越人受桑君之秘術.遂洞明醫道.
至能徹視臟腑.刳腸剔心.
以其與軒轅時扁鵲相類.乃號之為扁鵲.」

下野です。
伝説の名医扁鵲について、
『難経集注』の序文に注目しました。

では簡単な訳をします。
「『黄帝八十一難経』は、勃海の秦越人の作である。」
そうですね、そう言われています。

「秦越人は長桑君より秘術を授かり、医道の本質を極めた。
臓腑の内部を透視でき、腸を開き心臓を取ることも出来た。」
解剖が出来ていたとしています。

「秦越人は、
軒轅(黄帝)の時代の扁鵲に匹敵する為、彼を扁鵲と号した。」
扁鵲は黄帝の時代の名医で、
『難経』を書き『扁鵲倉公伝』に登場する秦越人(扁鵲)は
本当の扁鵲ではないということでしょうか。
確かに、自分で「扁鵲」と名乗ったとされているし、
歴史的にみても
字や号を引継ぐことは
当時としては当たり前のことだと思います。

又、扁鵲伝説には諸説があるので、
・「扁鵲」という号を当時の名医が脈々と引き継いでいた
・各国の名医が「扁鵲」と名乗っていた
と仮定すると
医学史で意見のある
扁鵲は「治療家集団だった可能性」というのも
十分にあり得ると思います。

となると『難経』を書いたとされる
秦越人は、集団の創始者ということでしょうか。
伝説なので、色んな想像が出来ますね。
あとは、『難経集注』の序文のように、
新たな発見が出てくることもありますので、
古医書は本文以外にも注目です!


アイキャッチ画像は
秦越人の功績を称え、書かれた
『扁鵲倉公伝』京都大学附属図書館所蔵
です。

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