傷寒論 桃核承氣湯から病態を考えていきます。
『太陽病不解,熱結膀胱,其人如狂,血自下,下者愈。其外不解者,尚未可攻,當先解其外;外解已,但少腹急結者,乃可攻之,宜桃核承氣湯。』
これは「太陽蓄血」と言われ、太陽病が治りきらず、裏に入り込み蓄血したものとされます。
病理としては、太陽膀胱経から太陽膀胱腑へと進展しています。
蓄血する場所については諸説あり、膀胱なのか小腸なのかと意見が分かれます。
つまり、太陽と言っても、①太陽膀胱蓄血 なのか ②太陽小腸蓄血 なのか、どちらであるか意見が分かれます。(この他別説もあります)
個人的には、「太陽膀胱経 → 太陽膀胱腑 → 太陽小腸腑」というルートだと思っています。
その理由として、「其人如狂」が心の症状であり、表裏である小腸から心への波及だと感じられるからです。
ただし、後に記載する『霊枢』経脈篇には、膀胱経の症状にも「狂癲疾」とあります。
精神への影響はさておき、ここでもう一点考えておきたい内容が、
「腑に至るまでのルートが身体の前面を介していない」ことです。
これは、膀胱経(背中)から膀胱腑、さらに小腸腑へと移るためです。
経絡というネットワークを通してのことだと、膀胱と小腸はどちらも「太陽」なので、お日様の当たる背面を走っています。
腹診では、小腸であれ膀胱であれ、どちらにせよ部位的に少腹に反応が出そうなものですが、正直そこはハッキリしません。
また目に関しては、内側と関わりが深く、ここを見て何か発見できるかも今後の課題とできそうです。
桃核承気湯の適応となる「虫垂炎」では、よく鳩尾(みぞおち)に痛みが出ますが、これも「其人如狂」と同様、心への影響とも考えられそうです。
理論上は、小腸へ至った後の段階と考えられます。
筆者:日下
霊枢経脈篇
『小腸手太陽之脈、起於小指之端、循手外側上腕、出踝中、直上循臂骨下廉、出肘内側兩筋之間、上循臑外後廉、出肩解、繞肩胛、交肩上、入缺盆絡心、循咽下膈、抵胃屬小腸。其支者、從缺盆循頸上頬、至目鋭眥、却入耳中。其支者、別頬、上䪼、抵鼻、至目内眥、斜絡於顴。是動、則病嗌痛頷腫、不可以顧、肩似抜、臑似折。是主液所生病者、耳聾、目黄、頬腫、頸頷肩臑肘臂外後廉痛。爲此諸病、盛則寫之、虚則補之、熱則疾之、寒則留之、陷下則灸之、不盛不虚、以經取之。盛者、人迎大再倍於寸口。虚者、人迎反小於寸口也。』
『膀胱足太陽之脈、起於目内眥、上額交巓。其支者、從巓至耳上角、其直者、從巓入絡腦、還出別下項、循肩髆内、挾脊抵腰中、入循膂、絡腎屬膀胱。其支者、從腰中下挾脊貫臀、入膕中。其直者、從髆内左右、別下貫胛、挾脊内、過髀樞、循髀外、從後廉下合膕中、以下貫踹内、出外踝之後、循京骨、至小指外側。是動、則病衝頭痛、目似脱、項如抜、脊痛、腰似折、髀不可以曲、膕如結、踹如裂、是爲踝厥。是主筋所生病者、痔、瘧、狂癲疾、頭顖項痛、目黄淚出、鼽衄、項背腰尻膕踹脚皆痛、小指不用。爲此諸病、盛則寫之、虚則補之、熱則疾之、寒則留之、陷下則灸之、不盛不虚、以經取之。盛者、人迎大再倍於寸口。虚者、人迎反小於寸口也。』




















