◉一鍼堂から鍼師と東洋医学を学ぶ人のための書籍を発刊しました!
書籍『東洋医学考』出版のお知らせはこちら!!
東洋医学の文献には脾の形はこのように記されています。
・脾の形象は馬蹄のようで、内に胃脘を包む。
これは土の形を象ったのである。(図①)
経絡の気は、交代で中に帰り、真霊の気を運営し、意の住まうところである。『内経註』
・脾の形扁平で馬蹄に似て、また刀鎌のようである。『入門』(図③)
・脾の重さは二庁三両であり、幅が三、長さ
が五す、散が半庁あり、血を包み、五臓を温めることを主り、意をすことを主る。『難経』(図②)
・脾とは、俾(したが)うことである。胃の下に在り、胃気に俾い助ける。
水穀の消化を主る。胃は受納を主り、脾は消磨(すり減らす)を主る。『網目』
※斜体の現代語訳は『 完訳 東医宝鑑 内景篇・外形篇 』 誠心出版 訳:菅原忠雄
p.98 3〜9行目より引用しています。
脾だけの図では何のことやら…と思い、
脾を描いた図を見比べました。
胃腑と組合わさる図を見ると協調関係が分かりやすいです。
『東医宝鑑』に掲載された脾胃の図は、
胃を取り囲む脾の形状は、
展開図のように伸ばしてみると刀鎌のような形で、
上から見たら馬蹄のような形になっているのかもしれないと思いました。
(図④)
(東医宝鑑のその他の臓腑の図も少し違って面白いです。)
脾は馬蹄のように胃を取り囲み、
胃に食物が入ると、脾は胃を揉むように消化を助けるような構造を想起させます。
学生の頃、寺子屋で下野先生に
「形態が現す意味はとても重要ですよ」
と教わりました。
『臓腑経絡詳解』岡本一抱著の図は、
脂膜を挟み胃と脾がセットで描かれており、
臓腑の関係が強調されています。
東洋と西洋医学の折衷的な表現のようにも見えます。(図⑤)
〈参考文献〉
『 完訳 東医宝鑑 内景篇・外形篇 』 誠心出版 訳:菅原忠雄
p.98 3〜9行目
『 臓腑経絡学 』
藤本蓮風 著 森ノ宮医療学園出版部
p.104,105 3〜14行目
『 中国医学の身体論―古典から紐解く形体 』
浅川 要 著 東洋学術出版社
p.55 3〜5行目

























