ツボとは何か。| ツボと経絡の関係を鍼灸、東洋医学のプロが解説します。

神戸三宮院豊中院

“ツボ”とはなんだい。

【ツボという呼び方】

専門的には経穴(けいけつ)と言います。
英語ではAcupuncture pointやAcupointと表記するらしいです。
我々、鍼灸師はツボではなく、経穴を一般的には使います。
民間で一般にはツボと呼ぶことが多いようですね。
専門家が治療の現場でツボという呼び方を使う事は基本的にはありません。
素人レベルの治療家や、
素人目線の鍼灸師はあえてツボと言うかも知れません。


【ツボとはなんだろうか。】

東洋医学では、気の存在を前提として
身体をめぐる無形のエネルギーを 気 、
その 気 の流れる道を 経絡(けいらく)と呼びます。
ではツボ(経穴)とは何かというと、
経絡という道に主要な場所があります。
駅で言えば、特急の止まる大きな駅です。
これをツボ(経穴)と呼び
各々のツボ(経穴)には気が集まりやすく、また悪いもの、
気の停滞(邪気)も同時に集まりやすい性質があるために、
治療でもとても有効なポイントとなるわけです。
だからツボ(経穴)は体中に無数に存在します。
一年の365日になぞらえ、
約365箇所あるという考えがあります。
(流派や時代によって増えたりしますが。)


【ツボをどう使うか。】

要するに病になったり身体に変調が出たりする時、
その原因の多くは内臓の不調によって起こると東洋医学では考えます。
その変調は気の流れの変調となって、
経絡の状態、ツボ(経穴)の状態もそれに伴い、
以上を示します。
我々、鍼灸師は、
それを逆手にとってツボ(経穴)の状態を徹底的に
調べることによって内部の状態を知り、
ツボ(経穴)を整えることによって
遠隔的に内部を整えるといった変わった方法をとります。
それが鍼灸治療とツボ(経穴)の関係です。

つまり、ツボ(経穴)をもんだり叩いたりすると言うことは、
気の流れを動かして、
内臓を刺激してやろうという試みに変わらないのです。


【ツボ(経穴)を刺激する注意点】

上にも書いたとおり、ツボ(経穴)を刺激することで
内臓を動かすことが出来ますので、
悪い箇所が良い状態になればそれは宜しい。
しかし、悪い箇所を余計悪くする可能性もあり、
悪くない場所を悪くする場合もあるのだということを記しておきます。
テレビや雑誌など、健康番組などでツボで健康になろうという
旨の特集がありますが、
我々が出来るアドバイスとしては、
やってみて体調が悪くなるようであれば、良いと書かれていても
即座に止めた方が良いと言うこと。
あと、やはり身体は繊細に出来ていますので、
専門家にまかせてメンテナンスしてもらうのが一番良いのでは
ないかと思うところです。