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マンスリーアーカイブ 10月 2009

おすすめ書籍No.8 『穴性学ハンドブック』

こんにちは、下野です。 最近、革の小物にハマっており、 休日は朝からお店探しをしております。 ただ必要のない物まで買ってしまい、 そこは我慢をしなくてはと反省しています。 では今回は「おすすめ書籍」のご紹介です。 第8回目は 『穴性学ハンドブック』 佐藤 弘 監修/伴 尚志 編著 たにぐち書店 学生時代「◯◯病を治す経穴はどれですか?」と 質問する人が何人もいました。 鍼灸関連の書籍を見ても ”□□穴 主治:◯◯病”と書いた物もありますが、 その経穴で100%治るとは言いきれません。 以前、為沢先生も記事で書かれてましたが 同じ症状・疾患であっても病因(原因)は人それぞれで、 それを”◯◯病だから、△△の症状だからこの経穴”としてしまうと、 全く効果がない場合や悪化させてしまう場合もあります。 そうならない為にも、しっかり弁証を行い、 それにあった選穴、そして施術をしなければなりません。 そこで穴性(経穴の性質)を知る事も重要となり、 今回ご紹介した書籍が役立ちます。 この書籍に 穴性は薬性にたとえられる。 処方する際、薬性を知らずしてどうやって寒熱虚実の変調を 調えることができるだろうか。 鍼灸において、穴性が明らかでないならどうやって様々な疾病に 対処することができようか。 と書かれており、まさにその通りだと思います。 ただ”○○証だから□□穴”とし過ぎないように気を付けて下さい。 同じ証立てでも、反応のでる経穴が違う事もありますからね。 そこは切経をしっかり行い、施術を行って下さい。 下野

『五行解説』肺ー皮

こんにちは、 スタッフの新川です。 毎年紅葉が近づくと いつ頃ピークを迎えるのか、 非常に気になってまいります。 寒暖の差によって 紅葉の色づき具合が違う 今年はどうなるか 予想してみるのも 楽しいですね。 今回は 肺ー皮の関係についてです。 肺は皮毛を主る 皮毛とは、 体表の皮膚 及び皮膚に付着する毫毛の総称 のことであり、 皮膚の状態は肺気の機能と 大きく関与していますので、 空気が乾燥したり、 大気自体に汚れがある場合、 肺の気が弱り、 結果的に皮膚疾患に つながることが考えられます。 特に、肺は 皮膚表面を外邪から 守ってくれている 衛気 (体の表面を外邪から守ってくれているバリアーのようなもの) と深く関係しておりますので、 肺の不調が起きると、 衛気のバリアーがはがれ、 外から入ってくる 外邪(風、寒、湿、燥、熱、暑) に犯され易くなってしまいます。 秋に風邪が流行るのも、 この乾燥している空気が 関与していることが 考えられますので、 お部屋などの湿度の管理には 気をつけなければいけませんね。

原因と結果

多くの病が天から与えられたものではなく 自分でつくりあげたものです。 原因と結果が必ず存在します。 原因が非常にささいなものであり、 大きな結果を及ぼす事がございます。 その原因に徹底して挑み続けるのが東洋医学です。 現代医学では結果に対してアプローチするから 矛盾が生じるのです。 原因は何も局所ばかりにあるとは限りません 飲食 精神状態 尿から便から 徹底的に観察する必要があります。 原因を得る為には 何でもするのが東洋医学です。 痛いところに鍼をすることも東洋医学としては 未熟であると言えます。 原因と結果です。 原因と結果の間にはどのようなフィルターも不要です。 医学にたずさわるものは、 どんなことにも観察の目を向けるべきです。 色 匂い 形 また形を成さないもの 全てが情報です。 医学的であろうと なかろうと 宗教的であろうと なかろうと 科学的であろうと なかろうと 全ての事象が 原因へと導く鍵となります。 人を治すという一点において非常に重要な事です。  林

※重要なお知らせ <サーバーのメンテナンス>

サーバーのメンテナンスの為に 10月19日の0時~9時まで一鍼堂のホームページへの アクセスが出来なくなります。 ご迷惑をおかけすることとなりますが ご理解の程、宜しくお願い致します。 ■メンテナンス日時 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施時間:2009年10月19日 AM 00 : 00 ~ AM 09 : 00

休診日のお知らせ ~日本伝統鍼灸学術大会~

10月18日は 日本伝統鍼灸学術大会 大阪大会のため 休診日とさせて頂きます。 月曜日より通常通り行いますので 宜しくお願い致します。    一鍼堂

『五行解説』脾ー肌肉

こんにちは、スタッフの新川です。 今月から 自宅にて 新しい植物を 育て始めました。 今までは パキラのみでしたが、 彼らのおかげで 部屋の印象が より明るくなったように 思います。 さて、今回は脾ー肌肉についてです。 脾は身の肌肉を主る ●肌とは 肌肉(きにく)自体を指す言葉であり、 体表の皮膚、皮下組織・筋肉の総称を指す 場合もあります。 一方、 ●肉とは 皮膚や筋肉を指します。 全身の肌肉は 脾胃で生み出された 水穀の精微により滋養されます。 よって脾胃が弱ってくると、 肌肉が栄養不足になり 結果的にやせ衰えてきてしまうのです。 患者さんに、 「脾胃が弱っている場合、 自分で出来る事ってありますか?」 と質問されますが、 規則的でバランスのよい 食事を摂るのも、勿論ですが、 体を動かすよう養生指導させて頂いております。 なぜなら、 脾は四肢を主る 脾胃と四肢はつながっており、 体を動かす(運動する)ことで、 脾胃の動きもよくなるのです。 参考文献:『鍼灸学[基礎編]』  東洋学術出版社      『臓腑経絡学』     アルテミシア

経穴解説No.15(足陽明胃経 人迎~缺盆)

こんにちは、為沢です。 経穴解説見た患者さまからの会話で、 「ツボとツボって繋がっているんですね」 と言われました。 ツボとツボに繋がりがあることについては あまり知られていないようです。 経穴解説に載せてある写真ですが 緑の蛍光ペンでなぞってあるので、見てみて下さいね。 では、経穴解説に入ります。 今回は足陽明胃経の 人迎(じんげい) 水突(すいとつ) 気舍(きしゃ) 缺盆(けつぼん) を御紹介致します。 足陽明胃経 人迎(じんげい) 別名を天五会、五会といい、 喉頭隆起(のど仏)の外方1寸5分、動脈拍動部に取ります。 人迎は、人迎脈口診という脈診法 {黄帝内経霊枢(こうていだいけいれいすう)という古典にある脈診法} があり、のど仏の両脇にある頸動脈で 最も強く拍動している部分である人迎と、 前腕の寸口(これを脈口とも呼ぶ)で 打っている脈動の強さを比較する診断法として 使われていました。 現代では人迎脈口診はあまり致しませんが、 脈が診れない場合は (手関節をケガをしてる場合や)は、 人迎を代用して診ることはございます。 「人迎は血圧を下げる効果がある」 と掲載してある本をよく見ます。 人迎は陽気の最も強い陽明経であるため 陽実による高血圧の方にはよく効果があるかと思います。 局所的な鍼なので、あまり使用しませんが 使用する際は、頚動脈に気を付けて下さい。 診断点としては、臨床的に人迎辺りが 腫れることが多く診られ、 気滞、湿痰など多く診受けられますが 腎陰虚の場合にもよく腫れが診られます。 水突(すいとつ) 別名、水門。 「水」とは、水穀、飲食のことで 「突」は、接触、ぶつかることであります。 ここも使用することはあまりないです。 診断点としては人迎と同じく腫れ、又は詰まりが 多く見受けられる経穴です。 気舍(きしゃ) 「気」とは空中の大気のことであり、 「舍」は居るという意味であります。 気舍は気管のすぐ近くにあり 呼吸の気がここを流れることから、気舍と名付けられました。 この辺りは、肺気との関わりが強く 肌肉のつき方で肺の状態が伺えます。 治療穴より望診で診る経穴です。 缺盆(けつぼん) 別名、天盖といい、 手太陰・手陽明・足陽明の流注が入り組んでおり 非常に重要な経穴であります。 ここに鍼をすることで 三経を同時に動かすことができますが、 下手な鍼をすると、陽気を損傷し易く、 また、肺臓がすぐ傍にあるので 深い鍼は禁忌です。 施術の際は、テイ鍼等での施術が適しております。  為沢

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