マンスリーアーカイブ 6月 2007

太陽と表証

「太陽は陽気を広く行き渡らせる作用があり、 その気は外に向かうので、表を主り、また開を主る。」 とは呉コンの言である。 故に傷寒においてまず太陽位がその邪を受け、 太陽病と称されるが、呉コンの言っていることがわかれば その理由がおのずとわかりますね。 次回記事予定は「傷寒論のすすめ」です。

不覚 耳鳴りす。

昨日から私、耳鳴りがいたします。 ポコッと音の世界に迷い込んだかと 思う様に一瞬音が聞こえなくなり、 キーーーーン と始まります。 一鍼堂には耳鳴りの患者さんも多いので、 その辛さがよくわかりました。 医者の不養生と言う言葉がありますが、 やられっぱなしではいかんので、 日頃の生活(最近寝不足が続いております)を見直すと同時に、 耳鳴りの対処方を身をもって体験しようと決めました。 明らかに、肝、腎からきているものなので、 配穴は太衝、太ケイ。 肝気の昂ぶりを引き降ろし、腎を助けることでしっかりと繋ぎ止めさせました。 今日は、お蔭様で耳鳴りが起こらずに済みましたが、 こんなんじゃいかんですね。 反省いたします。 鍼灸師の方へ: 耳鳴りは今回の私のパターンのようにキーンと肝気が衝がり、 起こる場合もありますが、 湿が耳を塞ぎ、閉塞感を伴い起こる場合が意外と多いです。 この場合はきちんと湿痰を捌かないといけないので一工夫必要です。 手足の陽明経に邪実を表している事が多いので、 だまされたと思って診てみて下さい。

梅雨なので 湿邪に注意すべし

梅雨ですので、雨が続きますね。 東洋医学では、これを湿と考えます。 体を侵すと湿邪として、湿特有の症状を引き起こすので 要注意です。 また、湿邪はよく脾胃を傷めつけるため、 特にこの時期は脾胃を保護して、 湿から守るように心がけます。 ただでさえ、湿が体に入りやすいので、 飲酒によって湿邪を助長させることも控えましょうね★

優越感と劣等感 誇りと差別

本日は良い言葉に出会いました。 「集団的名誉感は、集団的優越感と紙一重であり、 それを裏返せば、集団的劣等感に他ならない。 これは日本の病である。」 とは物理学者渡辺慧の言葉だそうです。 誇りを持つことは良いことですが、 過剰な誇りはそこに差別のかけらを生み出す。 世界中の差別は何も悪意から生まれたものではなく、 故郷を愛する気持ちや誇りから生じてくるものなのかもしれないですね。

名医について考えた。

先日、誇大ともいえるコメントを頂きましたが、 名医とはなんであるか漠然と新幹線の中で考えていました。 唐突ですが、 この国はとても恵まれていると思います。 食べ物に恵まれ なんだかんだ言って働く場所に溢れ 情報伝達のシステム 交通の便にも恵まれ。 しかし あまり幸福を実感している人の声が聞こえてきません 世の中不平不満ばかり聞こえてきます。 この社会で病気になる人の多くは飽食による害 睡眠の不摂生 性生活の乱れ どうしようもなくなって病気は少なく 言わば自らが作り出す環境病が殆んどあり、 そのような環境はさておき、 悪くなってから治すというケースが多すぎます。 医者に行っても、データに異常がないから大丈夫と帰されたり、 これを考えた場合、 データに出ない=病でないのでしょうか。 それは違うのですね、 現代の医療技術では病のメッセージを受けとることが出来ないといったことのほうが事実に 近い。 そのメッセージは日常的な肩凝りや痛み、あらゆる不快な症状として体は訴えているのです 。 その微細な叫びを聞いてあげないで、病気にあらずとするのは非常にナンセンス。 なってから治すという意識よりも ならないように心掛ける 正しい生活をする意識 未病を治すことという意識 これを植え付ければ、 この国の健康は大幅に改善されると思います 医者いらずになるかもしれませんね。 この国はそういう高いレベルにあるのだと思います。 戦後何かを取り返すかのように走り続けてきたこの国 物の多さ 豊かさ で競ってきましたが これからはすでに在るものの尊さ (生活への再評価や自分を治そうとする生命力の存在) を再確認してしっかり足元を見て自分自身をそれぞれがコントロールする段階ではないかと 。 自分はさておき身上を装飾するばかりでなく 自分自身の本質をもっとみるべきでしょう。 医療も先ほど言ったことと同じです。 この豊かな国で自分のもとに訪れてくる病める人を治すのには名医ではなくても名人であれ ば足りるのだと思います。 この国に少しでも未病を治すということの概念を浸透させること。 病気の人を治しても治しても間違った認識のために病人が無尽蔵に展開される。 そういった日常によく違和感を覚えます。 それを変えるためにも少しでも腕を磨いて 自分の周りに同じような志のものを育てて 本当の意味での医療改革がされればと願います。 きっとこの国はいろいろなしがらみで西洋医学が唯一の医療と崇められ 他の医療は医療類似行為であると虐げられるのでしょうが そのようなあまりに保守的な、 医療システムにさえ権力が支配する状況には 正直、虫ずが走ります いつかきっと変わってくれると信じています。 そしてそれが出来たら今度は本当に貧しい国などを鍼(針)を持って世界中歩めたらなあと思 います。 その時が来たらきっと名医なんでしょう。 今はせいぜいよくて、頑張って、名人程度かな。 歴史的名医の著書などを学ばしていただくと 医の字はそんなに軽くないぞと気付かされる思いです。 また、現代の医療制度で保険でどれだけ点数を稼いで診療報酬を受けるかということばかり 思案している者達の現状を見ると先人達は 厳しい言葉で以て喝破されるのではないでしょうか。 (そういう者ばかりでないにしろ多すぎる) 自分がちっぽけに思えるんですねえ。 相方にはよく みんなあんたと同じではないんだからあまり求めすぎるなと怒られますが 一理あるとは思いつつも 医療と政治にはある程度 理想と理念という原動力がないとダメなような気がします 今の社会はそのような分野でもすぐ損得勘定が走りすぎていかんと思ってしまうのですねえ 。 遺書のように重くなってしまいましたが、 キョウもアシタもがんばます。 まだまだ修行 道は長いぞ おお 我が人生 鍼一本

自動車免許が変わるらしい。  いや、既に変わっているらしい!

今日、友人に会いました。 免許更新の帰りだったようです。彼から聞いたことですが、 車の免許の制度が今月から変わっているようです。 今まで普通車の免許だった人は、 今月から新設された 中型 という免許に勝手に格上げされ、 これから取得する人は選択可能なのだそうです。 私が、 「ええやんか。大きいのに乗れるんやったらさ。 まあ乗ることないけど。」 と言うと、 「そこじゃないねん。落とし穴がある。」と彼。 実は、新設された免許は普通車、中型、大型という分類にも関わらず、 違反した場合の分類は,普通車と大型しかない という落とし穴があるとのこと。 そして、いままで普通車で勝手に中型免許になった殆んどの人は、 違反するとなんと大型の違反金を支払わなければならないらしいのです。 しきりに普段無口な彼は 「違反金のことなんかどこにも書いてないぞ! 警察は違反金で儲ける気やな!詐欺や!詐欺!」 と憤慨していました(笑) 調べましたが確かに6月2日からそのようになっているようでした。 知らなかったなあ。 皆さんの免許も勝手に変わっているそうですよ。 鍼灸に関係なくてごめんなさいね たまには馬鹿馬鹿しい記事も。

{症例} 肩凝り、耳鳴り、腰痛

少しずつ症例を公開していこうと考えています。 まずは最近の症例から。 初診日 平成19年 4月某日 Mさん、70歳、主婦 主訴 肩凝り…夜間に肩凝りがきつくなる 耳鳴り…高い音がして、聴力減退し補聴器をつけている 腰痛 …運動開始時に痛み、重だるい 肩凝りだからといって、 患部の筋や神経に着目しても治すことは難しいです。 肩凝りがどこからおこっているのか判断しなければなりません。 東洋医学では外邪(風・寒・暑・湿・燥の外的な邪気)や、 飲食不摂生・ストレスなどによる内臓への負担、 また内臓自体の機能の弱りで病が発すると考えられます。 Mさんの場合、主訴は腎の弱り (東洋医学では耳鳴り・腰のだるさは主に腎の弱りと診ます) から来る症状と診られ、問診や切診 (つまりは脈や腹部、経穴を触診することによる伝統的診断法) からも腎の弱りが顕著に診られた。 処方は 主に足少陰腎経の経穴に軽く鍼を置くことで腎の弱りを補い、 ストレスによる気の滞りも診られたので 手太陽小腸経の経穴に鍼を置き、 その気の滞りとそれに伴う熱を取り去った。 肩凝りの改善とともに、耳の聞こえが良くなったと自覚。 運動開始時の腰痛も改善され、治療後スムーズにベッドから起き上がられた。 つまり二本の鍼にて症状を緩和させることに成功しました。 治療は3週間8診。 現在は肩凝り大分軽くなり耳鳴り落ち着き、耳の聞こえ良くなる。 腰は若干重さ残るが運動開始時の痛みは改善。 症状を楽にするのも大事なことですが、 しっかりと病の根を取り去り症状が元の状態に戻らないようにすることが肝腎なのです。 Mさんは主訴に関して満足される程度まで落ち着いたので、 治療をご卒業して頂き日常生活に戻られています。 しかし、少しでも症状出た場合は早めに治療すればすぐ取れるので、 後の経過に対してはよく注意して頂きます。

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