マンスリーアーカイブ 4月 2007

手の少陰心経

手少陰心経                                    クリックで拡大いただけます。   (別ウィンドウで開きますが、全画面で表示して下さい。    収縮することによる文字の荒れが確認されています。)  経穴学 ○極泉 取穴部位 腋窩中央、動脈拍動部に取る。 由来 「極」は尽きるところを指し、「泉」は陥凹のことを指している。 本穴は腋窩のいちばん深い陥凹にあるため、極泉と名付けられた。 ○青霊 取穴部位 少海穴から極泉穴に向かい上3寸に取る。 由来 「青」は痛証を主る。「霊」は霊験あらたかなことをあらわしている。 つまり本穴は肩痛、頭痛、肋間痛を主治するために、青霊と名付けられた。  ○少海(合水穴) 取穴部位 肘を半ば屈曲し、肘窩横紋の内端で、上腕骨内側上顆から橈側へ入ること5分に取る。 由来 「少」は手の少陰経を指し、合穴で脈気が盛んなため「海」といわれている。そのため少海と名付けられた。 ○霊道(経金穴) 取穴部位 前腕前尺側にあり、神門穴の上1寸5分、尺側手根屈筋腱の橈側に取る。 由来 「霊」は心の機能を指し、「道」は通り道のことである。 本穴の作用が心の機能と関連していることを示している。 ○通里(絡穴) 取穴部位 前腕前尺側にあり、神門穴の上1寸、尺側手根屈筋腱の橈側に取る。 由来 通りすぎることを「通」という。脈気が集まるところを「里」という。 絡脈が手の太陽経に通じているため、通里と名付けられた。 ○陰郄(郄穴) 取穴部位 前腕前尺側にあり、神門穴の上5分、尺側手根屈筋腱の橈側に取る。 由来 手の少陰経の郄穴の略称である。 ○神門(兪土穴)(原穴) 取穴部位 手関節前面横紋の尺側にあり、豆状骨の上際で尺側手根屈筋腱の橈側に取る。 由来 心は「神」を蔵する。神気が出入りするところを「門」という。 そのため本穴は神門と名付けられた。 ○少府(滎火穴) 取穴部位 手掌部にあり、指を屈し、薬指と中指の指尖が手掌に当たるところの中間に取る。 由来 「少」とは手の少陰経のことであり、「府」とは神気の居るところを指すことから、少府と名付けられた。 ○少衝(井木穴) 取穴部位 小指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 由来 「少」とは手の少陰経を、「衝」は要衝を指している。 本穴は血気旺盛な部位であることから少衝と名付けられた。 続く

{写真} 

      ライカM3+レンズ不明

{詩} 対雨~鍼を前に感情を捨てる~

対雨 簾(すだれ)を巻いて聊か目を挙げ聊か(いささ)目を挙ぐれば 露(つゆ) に湿(うるお)いて 草綿綿(くさめんめん) 古岫(こしゅう) 雲毳(うんぜい)を披(ひら)き 空庭 碎烟(さいえん)を織る 水紅 愁えて起こらず 風線 重くして牽き難し 尽日 犂(り)を扶(たす)くるの叟(そう) 往来す 江樹の前   雨に対す 窓のすだれを巻き上げてしばし目をやれば、 露に一面おおわれて、草原がどこまでも続いている。 古い山のほら穴からやわらかい雲がわき出て、 人けのない庭にはきめ細かいもやがたなびいている。 川の水草はまるで悲しんでいるように倒れ伏したまま、 風もとどこおりがちで、吹きわたろうとしない。 その中で一日中、 犂を牛に引かせる老翁ひとり、 川べの木々の前を行き来して畑仕事にいそしんでいる。 李白の詩です。 この詩は、まるで自分もそこに存在するかのように、 その場の空気感さえも詠ってしまっています。 写真もそうですね。 ただ美しい 綺麗なものは誰にも出来る そこに空気を刻むのは非常に難しい。 美しくみせようという感情さえうるさく思えます。 鍼術もまたしかり。 そこに置くべくして鍼を置く。 そう 刺すというより 置くという感触。 そういう鍼をいつまでも続けたい。 あらゆる感情さえそこにはいらない。

足の太陰脾経

足太陰脾経         脾経流注写真                              クリックで拡大いただけます。   (別ウィンドウで開きますが、全画面で表示して下さい。    収縮することによる文字の荒れが確認されています。)  経穴学 ○隠白(井木穴) 取穴部位 足の第1指内側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 由来 本穴は足にあることから「隠」といい、また赤白肉際にあることから「白」という。 このため隠白と命名されている。 ○大都(滎火穴) 取穴部位  足の第1中足指節関節の前、内側陥凹部に取る。 由来 もともと都は大きな城という意味である。 この部位の肌肉が大きく盛り上がっているため、大都と名付けられた。 ○太白(兪土穴)(原穴) 取穴部位 足の第1中足指節関節の後、内側陥凹部に取る。 由来 これは星の名前で、金星のことである。 脾は土に属し金を生じることから、太白と命名されている。 ○公孫(絡穴) 取穴部位 太白穴の後1寸に取る。 由来 古代諸侯の孫を「公孫」と呼んだ。 この部位は脾の絡脈の分枝があることから、公孫と名付けられた。 ○商丘(経金穴) 取穴部位 内果の前下方陥凹部に取る。 由来 「商」は二十八宿の1つの心宿である。 「丘」は小さな丘のように隆起した内果の下にあるということを指している。 本穴と外果の下にあって、からすき星の象徴がある僕参とは相対している。 ○三陰交 取穴部位 内果の上3寸、脛骨内側縁の骨際に取る。 由来 足三陰経がここで交会していることから、三陰交と命名されている。 ○漏谷 取穴部位 内果の上6寸、脛骨内側縁の骨際に取る。 由来 滲出することを「漏」といい、陥凹を「谷」という。 本穴は小便を滲利させることができ、湿痺を主治する。また骨の下の 陥凹にあることから、漏谷と名付けられた。 ○地機(郄穴) 取穴部位 内果の上8寸、脛骨内側縁の骨際に取る。 由来 一身を上中下の三部に分ける。足から臍に到るまでを「地」部という。 「機」とは機関のことである。本穴は地の中部にあり、膝の運動の機関であることから、地機と名付けられた。 ○陰陵泉(合水穴) 取穴部位 脛骨内側顆の下、脛骨内側の骨際、陥凹部に取る。 由来 膝の内側を「陰」といい、脛骨の内側顆の高い突起は「陵」のようであり、 顆下の陥凹は「泉」のようであることから、陰陵泉と名付けられた。 ○血海 取穴部位 大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上2寸に取る。 由来 血と関係のある疾病を治療することから、血海と名付けられた。 ○箕門 取穴部位 大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上8寸、縫工筋と大腿直筋の間に取る。 由来 座るとき両膝を外転させると、ちょうど「箕」のようであり、 「足を前に伸ばして広げて箕の形のように座る」といわれた。 本穴は大腿内側にあり、取穴するときの姿勢から、箕門と名付けられた。 ○衝門 取穴部位 曲骨穴の外3寸5分、鼡径溝中の動脈拍動部に取る。 由来 本穴は動脈の拍動を触れるところであり、脾経がここより腹腔に入っていく大きな門であることから、衝門と名付けられた。 ○府舎 取穴部位 大横穴の下4寸3分、衝門穴の上7分に取る。 由来 「府」は六腑のことであり、腹部は六腑あるところ「舎」であるところから、府舎と名付けられた。 ○腹結 取穴部位 大横穴の下1寸3分に取る。 由来 「腹気の結聚するところ」ということから、腹結と命名されている。 ○大横 取穴部位 臍の外3寸5分に取る。 由来 「横」は平らなことをいう。本穴が臍の傍らを平らにのばしたところにあり、また大腸疾患を主治することから、大横と名付けられた。 ○腹哀 取穴部位 大横穴の上3寸、建里穴の外3寸5分に取る。 由来 「哀」は腹鳴を指す。本穴の部位は「腹」にあり、腹痛、腹鳴を主治することから、腹哀と命名されている。 ○食竇 取穴部位 中庭穴の外6寸、乳根穴の外2寸、第5肋間に取る。 由来 水道の穴を「竇」という。本穴は胸脇支満、腸間雷鳴、常に水の音がするなどを主治する。またちょうどこの部位を水穀が通過し、本穴が食物の運化・輸布を助けることから、食竇と名付けられた。 ○天谿 取穴部位 膻中穴の外6寸、乳中穴の外2寸、第4肋間に取る。 由来 本穴は天池の外側にある。「池」、「谿」はともに乳汁の流れるところという 意味である。 ○胸郷 取穴部位 玉堂穴の外6寸、膺窓穴の外2寸、第3肋間に取る。 由来 人が住んでいるところを「郷」という。本穴は胸の傍らにあることから、胸郷と命名されている。 ○周栄 取穴部位 紫宮穴の外6寸、屋翳穴の外2寸、第2肋間に取る。 由来 「栄」は「営」と通じる。本穴は上部で中府と接しており、営養が全身(周身)に運ばれるのと関係している。そのため周栄と名付けられた。 ○大包(脾の大絡) 取穴部位 腋窩中央の下6寸、中腋窩線上の肋間に取る。 由来 「大」は総覧、「包」は概括のことである。本穴は脾の大絡であり、陰陽の諸経を総括しており、脾が五臓四肢を灌漑していることから、大包と命名されている。 参考文献:『針灸学』東洋学術出版社 古典記載 『黄帝内経霊枢経脈篇』 経脈流注 脾足太陰之脈.起於大指之端.循指内側白肉際.過核骨後.上内踝前廉.上内.循脛骨後.交出厥陰之前.上循膝股内前廉.入腹属脾絡胃.上膈挟咽.連舌本.散舌下. 其支者.復従胃別上膈.注心中. 経別流注 足太陰之正.上至髀.合于陽明.與別倶行.上結于咽.貫舌中.此爲三合也. 十五絡流注 足太陰之別.名曰公孫.去本節之後一寸.別走陽明. 其別者.入絡腸胃. 「続く」 

{専門} 沈脈

沈脈 脈を按じて深部にはじめてその拍動を触れるものです。 古典にはちょうど水に投げ入れた石をまさぐるように必ず水底まで手を入れることによって、はじめて触れると表現されています。 この脈が現れるのは 裏証 とされています。 病の原因が虚にしろ実にしろ表裏の裏、つまり深部にありますよということです。 ポイントは、寸関尺をきちんと取れていること。 外れていれば元も子もありません。 また、しっかり虚実をみることです。 按じて固く強いものは実、どこか空虚なものは虚です。 具体的には、 水飲停留などの陰病で見られる。 脈が、沈数なら内熱 沈遅なら内に寒あり 沈滑なら痰飲 沈で無力なら陽虚気陥 沈で有力なら積滞か寒邪凝滞 また、沈脈は 裏証、寒証、積聚の3つ で現れることが多いと李時珍(号、瀕湖、1518~1593年、湖北の歴史的名医)は言っておられます。 私見としては、邪が集まって裏で動かないものもそうですが、 陽気の鬱滞との関与が強く、 裏で陽気が結してのびないものもよく沈を呈するように感じています。 無形の気の停滞といって馬鹿には出来ません。 停滞がきつくなるとガッチリ裏位で固まりきってしまい厄介です。

{専門} 浮脈

脈診について先日、調べていました。 良い機会なので、まとめ、紹介したいと思います。 1.浮脈 その名の通り浮いた脈です。 普通は脈を按じて浮から沈まで探っていきますが、 この浮脈は、指を当てた時点でポンポンあたってきます。 コツは、脈の取りはじめに指を軽く、そえるように置くことです。 強く按じてしまうと、当然見失ってしまいます。 ここでひとつ注意しておきましょう。 色々な脈を紹介しますが、どういった時にどういった脈と 呼ぶというのではなく、脈の現れる各要素を言うものです。 例えば、Aさんがこの浮脈が出た場合、Aさん=浮脈とはしません。 Aさん=浮+緩+細といったように、全体には多面的な脈状を現していきます。 これがヒントです。 はい浮脈の解説に戻しましょう。 まず覚えなければならないのは、 ①表証 で浮脈が表れること。 表証とは寒や風といった外邪が体の表面を犯し、 表在で気機の不利を起こすものであり、 寒が強いと、浮に加えピンと細い緊脈を、 風が強いと、緩んだふわっとした脈(緩脈)を帯びてきます。 (裏虚と誤るべからず)これは、表証をしっかりと把握し、 誤診を防ぐ為にも非常に重要なことでありますので、 傷寒論という古典に詳しいのでよく学んで頂きたいです。 次に結構臨床で多いのが   ②裏虚 のものにもこの浮脈が出現すること。 裏虚とは根底の生気の弱りであり、五臓六腑が弱ると、 脈が沈むのではなく、逆に浮いてくる場合が多いものです。 ここでのポイントは、浮いていて一見、緩や大、或いは洪とみえるが、 脈を按じてみると空虚であり、骨まで按ずるとペタっとつぶれてしまう、 或いは散じてしまってあるのかないのか わからないような脈であります。 ここに胃の気の弱りを見るのです。 また、浮脈は中風や傷風でも多いように私は感じています。 このような場合、営衛不和になり桂枝湯証のような脈を呈してきます。 『脈法手引草』は次のようにあります。 「・・・人迎と相対する時は風寒経に有り。 気口と相応ずる時は営血虚損すと。 浮は中風、傷風を主る。 浮にして力あるは風なり、浮にして力なきは虚なり。 寸脈浮なれば上焦のやまい眩暈頭痛す。 関脈浮なれば胃虚して腹はり筋痛み、身いたむ。尺脈浮なれば腰膝いたむ。 浮は外より入る表の病を主どるとしるべし。」              ~ 大阪から真の鍼灸を 一鍼堂 ~  

{ハムスター} 最近のめねぎ 

   <最近のめねぎ> 以前売却したシグマのマクロレンズを買い戻しました このレンズ、色味はカールツァイス寄りなのかな。 白くカリッと写り、小動物の毛の一本一本が描写されるので重宝します。 D200+ シグマ MACRO 105mm F2.8 EX DG

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