下積み修行中の本多くんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


先日、過敏性腸症候群で悩まれている患者さまの施術に数回立ち会わせて頂きました。
症状は便秘と下痢の繰り返しで、お通じの回数が、多い日で5〜6回。
随伴症状として肩・首の凝りと痛みがあり、
人との会話や人混みの中、あるいは静止時に特に症状が増悪し、
逆に体を動かしていると比較的楽に生活できるとのことでした。


今回は裏急後重(りきゅうこうじゅう)について書いていきます。
「裏急」とは排便前に腹痛があって便意があるものをいい、
「後重」とは便意はあるが排泄しにくくなるものをいいます。
裏急後重は又の名を「テネスムス」といいます。

裏急後重の発症原因は虚実に分けるとことが出来ます。
虚の裏急後重では、
①気虚
②血虚
に分けられます。
気虚から発症する場合は老化や長患いから脾気が失われ脾失健運となり、
気血を順調に生成出来ずに発症します。
症状は便がスッキリ出ない・息切れ・疲れやすい・自汗などを呈し、
特徴として、胃や子宮などの内臓の下垂感があり、悪化すれば脱肛などもおこしてしまいます。
血虚からの場合は食事制限や脾胃の虚弱により血を生成出来ないことから起こり、
症状として、粘稠な便・口渇・焦燥感・力むがでない、などを呈します。

気と血について「気は血の帥(すい)たり、血は気の母たり」
といわれています。
簡単に言うと、気と血は互いに影響し合うということです。
気が不足すれば血を推し出す力も不足するので血虚を誘発し、
血が不足すれば気を養うことが出来ないので気虚を誘発します。
いずれから虚すかによって症状が異なってきます。

次に実の裏急後重では、
①湿熱
②気滞
などに分けられ、これらも互いに影響し合います。
外湿・飲食の不摂生などが原因で湿熱が発症した場合、
腸内に湿熱が停滞することで気滞を起こし、
腸の蠕動運動を阻害することで排便しづらくなってしまいます。
湿熱から発症した場合は、
発熱・口渇・小便の量が黄色く少ない・肛門の灼熱感から始まります。
気滞から起こる場合は、思慮の過度によるストレスなどから気が滞ることで湿を停滞させてしまい、
化火して湿熱を生んでしまいます。
症状は、腹が痛む・すっきり便が出ない、女性であれば月経痛などを誘発します。


裏急後重の病因病理を踏まえて、
立ち会わせて頂いた患者さんの体を考えると気滞による所見が強い様にみられました。
その理由として、
人との会話や人混みの中に行った後は症状が悪化して、肩・首の痛みも増悪し、
逆に体を動かしていると比較的楽に生活できるということからです。
性格的にナイーブで感受性が強いため、自分の中に何事もため込みやすく、
気の流れが滞ってしまっているのではないかと考えました。
実際、疏肝(そかん:気の流れを促す方法)を行うことで、症状の軽減がみられます。
ただ、疏肝を行うことだけでは、対処しきれていないため、
今後、よりよい改善をするにはどうすべきか、
勉強はもちろん、患者さんを「みる」ことを学んでいきたいと思います。


参考文献:
『中医病因病機学』  東洋学術出版社
『症状による中医診断と治療 上巻』  燎原書店

本多

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

3 コメント

  1. コメントを下さったのに
    長い間アクション起こせず申し訳ございませんでした。
    遅くなりましたが、少しコメントさせて頂きます。

    確かに東洋医学には難しい用語が多くみられますね。
    このような難しい用語を患者さんに如何に分かりやすく説明するかが、
    私達の課題です。術者の表現力が問われるところであり、
    患者さんの不安を取り除くにはそれを磨かなくてはなりません。

    精進致します。

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